第3話 ゲッツ板谷「ワルボロ」三部作について
西の「パッチギ!(井筒和幸監督映画)」、東の「ワルボロ」。いや、私が勝手に言ってるだけなのですが。不良・ヤンキー作品といえば暴走族、朝鮮学校、ヒロイン、友情、裏切り……まあ、全て揃った作品ですね。
荒ぶる青少年と裏社会、まあド底辺生活描写の定番です。苦手な人にとっては一生縁が無い話……と言いたいところですが。
主人公の「コーイチ」が好きになった相手は、病気の真面目っ子。そして、報われない!だけど、切ない恋物語では終わらない! ぐっちゃぐちゃになりつつ少年がむりやり大人にならされる、怒涛の血縁関係! そう、作者であるゲッツ板谷氏の自伝的お話でもあるのです。もう、なにもかもぶちまけたようなエッセイ「板谷バカ3代」を合わせて読めば抱腹絶倒・悶死寸前!
なおかつ、不良ならではの言語センスが秀逸。会話部分以外の状況描写など、他の追随を許さない勢いがあります。好きですね!
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というわけで、作品紹介でした。読んでみたくなった方は高評価ボタンよろしく! チャンネル登録は「フォローする」ボタンをクリック!←どこのチャンネルや
ところで、何で不良ものには「朝鮮学校」が出てくるのか。専門書など読んでる方は、お気づきかもしれませんが。私が見聞きした、その辺のお話でもしますかね。
以前、多摩川のほとりに友人がおりまして。まあその手のお話を沢山聞きましたよ。「チョンブラ(朝鮮部落)」のやつら(不良)が女の子攫(さら)ってあの辺に捨ててった、とか。何かと、地域内での対立があるんですね。その対立の最先端が、不良という構図。
友人も、そんな地域の例に漏れず不良全盛期の「不良学校」出身者。週末になると横浜の暴走族と遊んでいたという。彼女曰く「横浜の不良は硬派でカッコ良かった」との事でした。チャラくないらしいです。チャラい不良は、軽蔑の対象なんだとか。性犯罪を起こす輩は「最低」っていうね。意外に、不良の世界にはそういうのがあるみたいです。今はどうか知りませんが……
さて、私は日韓関係を悪化させようとか思ってこういう話をしたいのでは無いのですよ。現に、妹の彼氏は韓国人だし、身内になるかもしれなので。
ただ、不良文学というかそういう作品に描かれている「朝鮮学校」という存在を、どう考えるかという。私は、人にもよるって思いますが、だけど無視できない問題もあるんだと思っています。つまり「部落」があるって事ですね。間違いなく。
私が育った町もそんな地域でした。「朝鮮町」なんて言われてて。今は小ぎれいな建売住宅が並んでますが、まあバラックみたいな家が多かった。なおかつ、スーツを着た勤め人は「先生」か「役人」だけ。あとは肉体労働者ですね。父もそうでしたが。大体が貧乏人で。町全体がそんな雰囲気でした。小学校時代に、大体の悪い事はやりましたね。私は、そっち側だったんです。で、中学で落ち着くという。落ち着かないでそのままヤンキーになった人など、20代の前半で父親になってたりして、一気に老けるんですよ。シンナーで歯が無くなって見た目がババアになってね。10代の頃はいつも女たちが群がってたような人が。
まあ、そんな故郷の町の事を思い出すような、そんな小説ですね。「ワルボロ」。ドブみたいな場所から抜け出したい! なんて言っても、好きなんでしょうね。板谷氏の「立川愛」の複雑さ。貶してみても、心底嫌いでは無いという。そんな葛藤みたいなものも、あるってお話でした。
あれ、何の話だっけ?
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