転生したら伝説のルーンセイバーになったらしい

@hakase25

第1話

「危ない!!」

 そう僕が言うと、スマホをいじっていた中学生は顔を上げて僕の方を見た。その時には既に僕はその子を突き飛ばしていた。

 グシャァァ、と耳が嫌がる音を出しながら、上空からヘリコプターが落ちてきた。

 なぜヘリコプターがなんの前触れもなく落ちてきたか。僕にも全く分からない。

 なぜ気づけたかと言うと、僕の都合の悪い癖のおかげ(?)だった。その癖とは、くしゃみをすると上を向いてしまう事だ。それのおかげでくしゃみをして上を見たらヘリコプターが落ちてきてた。そのせいで、みんなからは「さとりくん」と呼ばれていた。理由は何かをさとっていたように見えたからだそう。

 まあ、僕の話はこれくらいにして元の話に戻そう。

 それで、ヘリコプターに僕は潰された。

 だが、まだ幸い意識があったので、最後の力を振り絞り

「逃げろ!爆発するぞ!」

 と叫んだ。果たして今の行動は合理的だっただろうか…

 それから僕は何分かしてヘリコプターの爆発と共に死んだ、はずだった。


「……なんで生きてるんだ?僕は」

 なぜか、僕の目の前には天井が見える。材質は木のようだ。

しかし、僕の記憶にある限り家の近所には木造の病院はないはず。

と、なると……

「ここはどこ?」

体を起こして周りを見渡してみる。

ここで気づいたか、なぜかベッドに寝かされていた。

この部屋には、机と椅子がひとつずつ。それとドアがある。

それと、ベッドの横に窓がひとつ。そこには観葉植物らしいものが乗っている。部屋自体の色は、茶色でシックな感じだ。


こんな所は見たことも来たことも無い。

僕が記憶から必死に調べていると、

バンッ!とドアが荒々しく開いた。「うわっ!?」完全に意識の外から音がしたので、めちゃくちゃびっくりした……

ドアの向こうには、1人の女の子…?が立っていた。髪は薄いピンク、身長はたぶん160くらいだろう。中学生ってところかな?目は大きくて、人形のような印象を感じた。

その子は、僕を見るやいなや、

「あ!起きた!おねーちゃーん!!」

と言ってまたどこかに行ってしまった。

「なんなんだ、一体……あの子誰やし…」

1人でそう呟いていると、ドアの向こうから

ドタドタと足音が聞こえてきた。さっきの女の子が戻ってきた。「ほら、早く早く!」その子はもう1人女の子を連れてきていた。その人を見た瞬間に、僕の息が止まった。

薄い銀色のロングヘアー、マリンブルー色の瞳。僕のタイプど真ん中だった。

と、しばしの間僕が見とれていると、「ねえ!名前はって聞いてるでしょ!」と言われた「はっ」また周りが見えなくなっていたらしい。「ごめんなさい、見とれてました…」

と素直に言ったら、「何によ」と極当たり前の返しをされた。

「あ、すいません…僕の名前は神童拓也です。」それを聞いたら、首をかしげて、「変な名前ね。」と言った。そうかなぁ…?

「アナタ達は?」僕がそう聞くと、

「ローズだよ、ローズ.フェリア。よろしくね、お兄ちゃん!」と、髪の毛が薄いピンクの方の子が言った。初対面の人にお兄ちゃんは危険だとおもうよ、ローズさん。

僕のタイプの子は「シャルロット。シャルロット.フェリア。よろしくね」

と言った。

いや、自己紹介よりも大事なことがあるじゃないか!!

「あの〜、シャルロットさん?」

「長いからシャルでいいわ」

「あ、はい。じゃあシャルさん。ここってどこですか?」

僕がそう聞くと「ここはアンバスだけど?」

と不思議そうにこたえてくれた。

アンバス……聞いたことないな…外国にそんな国あったかなぁ……

あ、そうだ。外を見てみればいいんだ。そうすれば特色が分かるはず…

そう思い、窓から外を覗いてみると…

「うわっ!?ドラゴン!!?」目の前にドラゴンがいた。なるほど、この国の特色はドラゴンがいるのか。うん、分からない。

「あ、あ、あれは……?」とシャルさん達に聞くと、「当たり前のことじゃない」と言われてしまった。ドラゴンが当たり前……ピキーン。あ、ここ異世界じゃない?だってアンバスとか聞いたことないもん。地球にドラゴン居ないもん。

「マジか……」僕が放心状態でいると、ローズさんが時計を見て「あ!やばい!学校に遅刻しちゃうよ!」と言った。この世界にも学校ってあるんだ。それを聞いたシャルさんは「あ、ホントだ!行くわよ、ローズ。」

「でもお兄ちゃんどうするの?」

「うーん…置いていく訳にも行かないし…とりあえずついてきなさい!ほら、早く!」

と言ってシャルさんは僕の腕を引っ張った。

「え!?ちょ、待って、」

そして僕は引っ張られるまま、家の外に出て

なぜかさっきのドラゴンに向かって歩いていく。「いや、危ないよ!食べられちゃうよ!」

と言うと「この子は私のパートーナーよ。噛むわけないわ。シェフィー!」

そうドラゴンに呼びかけると、キュイと姿に似つかず、可愛い声で鳴いた。

「ほら、乗って!」とシャルさんがシェフィーにのって僕の腕を引っ張る。「え!?待ってって怖いって!」そんな僕のセリフは無視して、僕をシェフィーの背中に乗せて、

「行くわよ!」と言った。すると、シェフィーは翼を羽ばたかせ、空に上がった!?

「うわぁぁぁぁ!」思わず僕は叫んでしまった。そんな事は気にも介せず、シェフィーは飛んでいく。「シャルさんこれどこ行くのぉ!?」「学校よ。いつもシェフィーで言ってるわ。ついでに、あなたのことも聞きたいから、ちょうど良かったわ。」

「え?僕のことって?」「だってあなた、帰り道で倒れていたんだもの。」そんなことがあったのか。だからベッドで寝てた訳か。

まあ、この世界の学校に言ったら色んなことが分かるかもしれない。着いてくついでに聞いてみるか。ドラゴンの上も楽しいし悪くない。



…自分の適応力が怖くなった。

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