かみさまどうか

夢を見た。

苦しむあの子を救う夢。

悩むあの子の役に立つ夢。



なれども現実のわたしにそれはできない。

わたしはあの子に何もしてあげられない。

あの子はあまりにも遠くて眩しくて、そしてもうそこにはいないから。

わたしの手も声も、届かないほどのところにいるから。


だからわたしはただ願うのです。

あの子がどうか、安らかに眠れますように。

あの子がどうか、穏やかでありますように。

あの子がどうか、健やかに生きますように。

あの子への死が、緩やかでありますように。



夢を見た。

笑うあの子を見つめる夢。

幸せなあの子を見守る夢。


それはわたしの

心の底からの夢なのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る