そうそう

津久美 とら

ひとはそれを何という

ボウルがある

透明だったり濁っていたり

大きかったり小さかったり

素材や置き場所もいろいろ


そこに何が入る

そこに何を入れる

入れたものをどうしよう

食べちゃう

おすそ分けしちゃう

捨てちゃってもいいかな

たくさんのことを考える


そのうちに

ボウルに何かが勝手に入る

それぞれにちがう

たくさんの色が勝手に入る



ボウルに溜る

いろんな色が、一滴ずつ、ぽたぽたと

ボウルを少しずつ満たしては

いつのまにか溢れていく

でも絶対になくならない、たくさんの色


わたしはそれを見るたびに

うれしくなって

かなしくもなる

おこるときも、たまにある


そしてその色たちを

あたためたいと

強くおもう

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