パンツを脱ぐ

焼き芋とワカメ

1

 私は高校二年生女子。町から外れた山の方に住んでいて、街に行くには自転車で片道一時間はかかる。私は週に一度、街にあるアニメショップに通っているのだが、今日がちょうどその日である。


 そして今日は、たまたま長いスカートもズボンも全部乾いていなくて、ミニスカートしか着られるものがない。なんということだ。眼鏡をかけたオタク女のくせして、自転車にミニスカートとは攻めているなぁ。偏見か。



 昼前に出発した私だったが、三十分も自転車を走らせているとお腹が空いてきた。町で昼食を取るつもりだったが耐えがたい空腹に予定を変更。ぽつんと一軒、うどん屋が見えてきたのでそこで昼食を取ることにした。


 この店、私が生まれる前から存在するらしいが、私は入ったことがない。周りは畑だらけ、他に店など建っていないのに、この店だけ存在するのは謎である。ここで店を出す理由も、少なくとも十六年続いている理由も謎である。

 自転車を店先に止め、のれんをくぐると、不衛生ではないが薄暗く、清潔感には欠ける店内だった。席はカウンターに四席、テーブル席は四人が一つと二人が二つだ。私のほかにはカウンター席の一番左に禿げたおっさん客が一人、カウンターの向こう、厨房に店主と思われる禿げたおっさんがまた一人居た。


「いらっしゃい」


 店主が手でカウンター席に誘導するので従う。一番右の席に座った。

 壁のメニューを見ると、きつねうどんだの肉うどんだの何種類かあったが、私はその中でカレーうどんを頼んだ。それを食べたい気分だった。

 カレーうどんはすぐに出てきた。一口食べて味は良かったので安心した。お腹が空いていたので熱くても箸を休めることなく食べる。その暑さに眼鏡は曇り、汗をかいた。


 

 そして、カレーうどんを食べるのに夢中になっていた私は、汗で眼鏡がずれるのに気付かず、気付いた時には眼鏡をカレーうどんに落としてしまっていた!

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