嫌り

「友達に戻ろう」

そう言った君に唇だけで笑い返した


君にとっての最善策は

僕にとっては 最も辛い選択だったけれど

引き止めるだけの恋心は

僕にも残ってなかった



君の香水が好きだったけれど

今では噎せて吐きそうになる


君の声が好きだったけれど

今ではまるで残暑に鳴く蝉の声



毎日同じ教室にいる君を嫌いになったところで 僕の胸を締め付けるものは解かれない


あの日々を良い思い出だったと思えるなら


どれほど楽に生きられるだろうか

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