第11話 もしかしたらの未来予想図
もしかしたら。
それって魅力的な話だよね。
だって、普通はありえないような話でも、あったことのように話せてしまうから。
可能性がある限り、嘘とは言えない未来予想図を広げて。
手描きの、信憑性なんてまるでないような未来の地図。
それも、まだ真実かもしれない。
「もしかしたら」が「嘘」に変わるのは、いつなんだろう。
境目は、ことの起こるその瞬間。
最期までわからない、それが「もしかしたらの未来予想図」だ。
…あれ、私はいったい何を話そうとしたんだったかな。
何も思い出せない。
けれどこれでは、終われない。
さすがに短すぎるからね。
何かいい話題をひねり出さなくちゃ。
…そうだ、なんとなくの未来予想図でも聞いていかない?
私の、不確かで朧気な未来予想図。
嘘とは言えないし、本当とも言えないような、幻の話。
聞いてくれなくても私はここで話すよ、だってそう決めたから。
これは文章だ。私の意志を止められるものはない。思うがまま、書いていくのみ。
さて。
未来予想図の話だったね。
私の未来予想図を載せておくよ。
私は、もしかしたらこのまま浪人せずに県外の大学に行って、一人暮らしを始めるかもしれない。
そうしたら、もしかしたら、一人暮らしを実況みたいにして毎日どう生きたかをネットで文章にするかもしれない。
もしかしたら、「歌ってみた」とか「ゲーム実況」とか、興味のあるジャンルで動画を作り始めるかもしれない。
もしかしたら、一人暮らしをいいことにネット友達を探しに走るかもしれないし、もしかしたらクトゥルフのルールブック買って遊ぶかもしれない。
…まあ、お察しの通りやりたいことだよね。
やりたいことは本当にたくさんあるんだ。
ただ、それを邪魔するように「やること」「やるべきこと」が降り注いでいる。だから手を出せないでいて、しかもこの立場だと自由に制限がかかっていけない。
私は気ままな一人が好きなんだ。
女子にしては珍しく、友達との行動をあまり起こさない。単独行動が主で、大抵一人で歩いている。
私は移動教室で「一緒に行こー」と言われる度に思う。
どうせ数分後に合流するんだし待たせるのも待たされるのも嫌だし、一人で行きたい、むしろ行ってくれ、と。
残念ながらこれは本音だ。
だから「一緒に行こー」が理解できない。
…でも一応、友人には悪いと思ってるよ。あまり乗り気じゃないのはバレてると思うし。
だって私、交友範囲は狭く深く(のつもり)だから。きっと、バレてる。いっつもほんとごめんね。
ついでにいうと、レジャー施設でもない限りは一人旅の方が好みである。
複数人だと、色々と不都合が出る。トラブルも湯水のように湧く。
料理の好みだの休憩場所だの迷子がでただの、自分のことでも精一杯な私が気を配れるわけないだろいい加減にしろ!!
…というわけで、一人旅が好きだ。
料理は即決できるし、休憩は気が向いた時すぐにできるし、はぐれて迷子になることは絶対無い。一人だからもう私が本部なんだ!
道に迷うことはあっても、地図と目印の建物さえ分かればメインストリートに戻れる。
どこへだって気軽に寄れる。誰にも言わなくても、私だけ知ってればそれでいい。
面倒が欠片もない、気配りなんて空の彼方へ捨てちまえ!
…ビバ、一人旅!
とにもかくにも。
私にとって一人生活は夢のような話であるのだ。気ままで、自由で、ある意味では孤立してる、そんな生活。
誰にも干渉されず、全て自己完結してよくて、自己の意志で全てを決められる。時間配分も、出かける範囲も、就寝や食事の時間だって、自由自在。都合に合わせてずらせるし、調整だってし放題。
その分やることは増えるけど、私を邪魔する最大の原因、細切れになった時間のことは解決できる。
それに。
全て自分でやる、だなんて、なんだかんだいって楽しく過ごせそうだ!
私は日単位の留守番が大好きで、その期間、自分のこと(+猫の世話)は最後まで自分でちゃんとできてたし、1人でも問題ないのは確認済み!
県外への一人旅だってやったことあるし!めちゃくちゃ楽しめたよあの時は!
…本音はこっちです、はい。
あああ自立したい!働いてお給料もらって自己管理したい!!
…勉強頑張ろか!!!
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