恋愛小説家の彼女は恋をしたことがない
名古屋ゆりあ
プロローグ
僕の初恋は、中学2年生の時だった。
相手は、同じクラスの女の子だった。
彼女は無口で引っ込み思案な性格で、特に仲良くしていた友達がいなかったと僕の中では記憶している。
休み時間は自分の席に座って、いつも1人で本を読んでいた。
熱心に本を読んでいるその横顔がとてもキレイだった。
ページをめくるその指がとてもキレイだった。
気がついたら、彼女のことをいつも目で追っている自分がいた。
彼女は、僕のことをどう思っているのだろうか?
この思いを彼女に伝えたら、彼女は迷惑だと思うだろうか?
そんなことを思ってばかりいたら、彼女は僕の前からいなくなった。
「あの子のお姉さん、人を殺したんだって」
「好きな男が自分に振り向いてくれなかったからって言う理由で刺しちゃったんだって」
「何それ、怖過ぎるんですけど」
周りはそう言って、それもおもしろおかしく、彼女がいなくなった理由をはやし立てた。
今でも忘れることができない。
10年経った今でも、僕は彼女のことを忘れることができないでいる。
彼女は元気にしているだろうか?
彼女はどこで、何をしているのだろうか?
あれから10年が経ちましたが、僕は君に会いたくて会いたくて、仕方がありません。
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