第30話

月曜日。

いつもは兄に起こされるけれど、この日はお母さんが起こしてくれた。

朝食がお母さんのなのは久しぶりだった。

弁当もお母さんが作ってくれた。


学校に着き、昇降口でスリッパに履き替えて教室に向かう。

廊下で月島先生に会った。

「おはよう。元気そうだな、またな」

月島先生が声をかけてくれた。

挨拶を返す。

「おはようございます」

目頭を押さえ去っていった。

教室に入り、席について鞄から教科書などを取りだし机に入れる。

続々とクラスメートが入ってきて賑やかになる。


午前の授業が終わり教室は静かになる。

購買に行くものや中庭に行ったり仲のいい友達の教室に行ったりでがらがらになる。

私も教室を出る。

廊下を歩いて中庭のベンチで弁当を開け、食べる。


食べ終えると弁当箱を持って、波暮君の教室に向かう。

男子生徒に波暮君を呼んでもらった。

「どうしたんですか、雨下先輩。僕を呼んで」

「修学旅行のお土産を持ってきたの。はい、冬華ちゃんの分も」

お土産が入った袋を渡す。

「ああ、ありがとうございます。わざわざ買ってくれたんですね。渡しときます」

「うん、じゃあね。波暮君」


午後の授業が終わり、教室を出ていく。

冬華ちゃんと昇降口で会って一緒に帰った。

お土産のお礼にパンケーキ屋で奢ってくれた。

パンケーキは美味しかった。

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