revenge game~真実を明らかにするまで終わらない~
@ayupaku
第1話 悪夢
「ここはどこ? 」
気づいたら私はアスファルトの上で寝転がっていた。辺りは真っ暗で何も見えない。私はゆっくりと立ち上がった。辺りを見回してみると遠くから誰かがこちらに来るのが分かった。誰だろう……。でも、とりあえず助かった。
「あ、あの、すみません。ここが何処かご存じですか? 」
声を掛けても返答はない。おかしいな、聞こえてないのかな。もう一度声を掛けようとして私は違和感に気づいた。こちらに来る人は全身黒い服で覆われており、顔はお面を付けて隠れていて、手に何かも持って引きずっている様子だった。
「なんなの、あれ……」
こっちに近づいてくるにつれギギギギ……という変な音も聞こえてきた。
「え、嘘でしょ……」
その黒い服を着た人は大きなかまを持って引きづっていた。私はその場から走って逃げた。でもその黒い服を着た人はどんどん私に近づいてくる。
「やめて! 来ないで! 」
黒い人は私のすぐ後ろまで来てかまを振りかざしていた。もう私はひたすら走ることしか出来なかった。そしてかまが私の頭上に振り下ろされた。
「きゃーーーー!! 」
私は飛び起きた。周りは見慣れた風景で、聞き慣れた目覚ましの音が部屋中に響いていた。
「な、なんだ夢か……」
私は背中にびっしょりと汗をかいていた。嫌な夢を見たな。ましてや自分が殺される夢を見るなんて。そんなことを考えながら私は高校に行く支度をした。
教室の扉を開けるとみんなの声が一斉に耳に入ってきた。今日も朝から賑やかだな。そう思いながら私は自分の席に行った。
「
そう言ってきたのは私の幼馴染である
「 あ、優香おはよー」
私はそう言いながら1限目の準備をした。
「ちょっとなんでそんなに元気ないのさ」
そりゃあんな夢見たら元気無くすって。
「ねぇ、優香。ちょっと聞いて欲しいことがあるんだけど……」
私は優香に今日見た夢のことを話した。
「え、何それ。私も全く同じ夢見たんだけど。」
と、優香がびっくりした表情で言う。
「え、優香も?」
二人同じ夢を見ることってあるんだ。そう不思議に思っていると、
「おはよぉーっす!! 」
そう言って後ろから私達の肩に手を回してきたのはもう一人の幼馴染である
「あ、貴大おはよー」
そう言うと貴大は何やら少し興奮気味で
「おい、今日さ俺めっちゃ怖い夢見たんだって。なんかかま持ってる人に殺される夢。やばくね?まじ怖かったわ」
と言うと私達は一斉に貴大を見た。
「貴大も見たの? 」
私と優香が驚いた顔で聞いた。
「俺もって、お前らも同じ夢見たのか? 」
私達は頷いた。まさか、三人全く同じ夢を見るなんてあるわけがない。なんでこんなことに。私はとても嫌な予感がした。何かがどんどん迫ってくるような……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます