心、まだ梱包中。

霜月 風雅

学校、行くのも星間移動

大きく欠伸をした。暇というか無気力というか。

「あー…なんか面白いこと、その辺に落ちてないかな~。」

「落ちてるわけないだろう。例え落ちてたとしても外に出ないと見つけられないぞ。」

ふわふわと部屋を無重力空間にして浮きながら呟いた言葉にスピーカー越しで返事が届けられた。

「わかーってるけど、今学校休みだから…家から出る理由がないんだよね~。お父さん、宇宙散歩のついでに何か面白いこと拾ってきてよ。」

「無理言うな。無重力空間に落ちてる物なんて隕石のかけらぐらいなもんだぞ。」「ぶー…あーあ、」

唸って背中に力を入れてくるりと半回転。視界も半回転して逆さまな世界。やる気も元気もない。

「なーんもしたくなーいけど、なーんかしてなーいとひまー……暇!」

ふわふわと浮き沈みを繰り返す。リビングから聞こえるお母さんの怒鳴り声。そういえば、無重力空間はお金がかかると言っていたなあ、なんて冷静に考えてからリモコンでスイッチを切った。

「仕方ない、寝るか。」

きれいに床に着地して、床に散らばった物を片付けてからベッドを引っ張り出す。ふわふわの羽布団が呼んでいる。呼んでいる。さて、寝るかあ。

「おやすみなさーい!」

今日は、何の曲にしようかな。ベッドサイドの画面をタッチする。シャッフルに設定しておいたから、何の曲がでるかな?

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