ミスカトニックレポート
黒咲 千那
初めに
このレポートを残すにあたり初めに記録しておくべきことをここに書き記して置く事にした。
私が英国のあの嫌らしい狂気の町の出身である事は以前の記録に残してあるので承知だと思うがあの事以来私の神経に何かの後遺症が有るらしく名状し難い物達の気配がよく分かるようになってしまった。
あの訳分からないもの達と出会うと殆どのものは精神を病み正常では無くなる、同校の生徒、教授
連の中にも調査の先で失踪、怪死、物狂いになったものは少なくない。
私はあの穢らわしい虫けらを頭蓋に飼わされていたので悪夢と不定の頭痛に悩まされてモルヒネが手放せない程度で済んでいる。
相棒のマフティフ犬アーサーJrのお蔭でもあるのだが、彼の事も記録しておいた方が良いだろう。
彼は立派な体躯のオスのマフティフ犬で私が助教授として落ち着き始めた頃、私の先生であり上司の教授から図書館の犬に子が居るのだが番犬が欲しいと常から言っているなら迎えたらどうか?と言われ喜んで迎える事にした。
彼のお陰で最近はあの嫌らしい虫けらどもの気配は殆ど無い。
その為かこの手の調査は私に回ってくる事が多い、何れ私も彼等の仲間入りをした場合折角の調査の内容が消えてしまっては勿体ないのでこのレポートを残す。
このレポートは物狂いの妄想ではない、私がこの目で見て聞き触れた全てである。
もし、これを読む事がある者には深い谷の底を淵から覗き込む様な真似はしない様にと伝えたい。
その闇の底から君達を見ているものは間違いなく“存在”しているのだから、、
1926年11月 ミスカトニックにて記録
ジョセフ・エリック
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