エクソシスト
栞
第1話序章
「ほんとに…ごめんなさい。」
星の綺麗な冬の空の真下で、泣き崩れる女性と肩を抱く男性。
その2人の前に立つ、幼さ残る小柄な少女 聖那は2人のやり取りに冷たい眼差しを向けみおろす。
たった今、少女は悪魔、に襲われた直後だった。少女の右手にはその小柄には合わない自分の体程ある鎌をもち、その鎌で悪魔を一瞬で壊していた。
本物の悪魔をみた彼女は、恐らく自身に身に覚えがあるらしく仕切りに少女へと謝り続けていた。
そして、男は聖那の仕事上のパートナーでもある、菊池宗介はその彼女の恋人だ。
困惑を隠せず2人を交互に見つめている。
「でも…わた、し本当に酷いことを」
「里奈、どうしたんだ?」
「契約、しちゃったんですね。」
聖那が鎌から手を離すとその場になかったかのように手から消え、
ゆっくりと彼女、里奈のほうに近づきショートヘアの首から覗く逆十字の模様をみつけた。
聖那と菊池は、悪魔祓い、俗に言うエクソシストという存在だ。
逆十字は悪魔と契約をした証。
そして、里奈の着ている紺のブレザーを見る限り彼女はエクソシストの居る協会で働くオペレーターだ。エクソシストではなくても、仕事上契約がどんなものか、知っているはずだ。なのに、手を染めてしまった。
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