天宮湊

 その光景は世界が荒れているのをまさに絵に描いたような惨状だった。

 意思があるかも怪しい異形の者達が人を喰らい、時には同族同士で殺し合う。到底纏まりがあるようには見えぬが、それでも尚進むのを止めない。

 しかし地上に地獄絵図を生むそれらは唯の道具だ。主が命じれば例え無駄死にだろうと疑いもなくそれを遂行するような、魂無き動いているだけの道具でしかない。


 大地が裂け、空がまるで塗り潰したように黒く立ち込めている中、二人の男女が崖下を睥睨していた。


「随分と多いな。相手にするのが少し面倒だ」

「うん……おおよそ七万と……二千…くらい」


 彼らの視線の先には、地上を覆い尽くすのではないかと錯覚してしまいそうな程に蔓延る魔物がいた。

 全身を鋼で構成する大蛇、人ぐらいの大きさなら一呑みしてしまいそうな程の蟲の大群。それに豚の形をした醜悪なモノだったり、果てにはお伽噺に出てくるような姿の竜の姿が視界の中に敷き詰められていた。


 普通の人間ならこの光景を見ただけで卒倒してしまうかもしれないが、当の二人はその異常を当然のように受け止めている。


「殲滅にはどれ位かかると思う?」

「五分もあれば…余裕」

「はは、頼もしいな。でも油断は禁物だよ、♯♯♯♯」

「当然…私は♯♯♯の精霊……だよ?」


 ふわりと微笑むその表情は彼女の美貌と合わせて他の何よりも輝いて見えた。

 自分以外にはあまり向けられない清廉な笑みは密かに彼の優越心を擽って…



………

……




 ピピピピ!


 朝の始まりを告げるアラームが鳴り響き、ベットの中でモゾモゾと青年が動きだす。

 手を伸ばして何かを探すように暫く空中をさ迷うと、漸く目覚ましの音を切るスイッチに手を掛けてゆっくりと起き上がった。


「…ん、もう朝か」


 7時起床。定時通り起きれたことに少し安堵し、だが次に何か奇妙な夢を見ていた気がして首を傾げた。


「何だろう、凄く懐かしいような感じがしたけど…」


 思い返してみても全く思い出せる気がしない。故に所詮は夢だったんだと割り切っておくことにした。それよりも今は早く学校に行かないと。

 一人で住むには少し大きい部屋を横切り、整理された…というより置くモノが何もないキッチンに立つと慣れた手つきで朝食を作り始めた。



 それから準備を終え、玄関に向かう前に毎日の日課をこなす為仏壇の前で正座し手を合わせる。


「じゃあ行ってきます。母さん」


 その姿勢のままゆっくり二十秒時間を黙祷に費やした。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「ひ、一目見たときから好きでした! 付き合ってください、天宮くん!」


 その日の放課後、授業も終わって帰り仕度をしてると一人の女子生徒に呼び止められた。幾度となく遭遇してきたその光景に内心辟易すると、これから起こるだろう事を予測して一緒に帰る筈だった親友に断りを入れた。

 それで約束通りに来たら案の定。開口一番にコレ――愛を綴った告白である。


「ごめん。君の気持ちには答えてあげられない」


 それを何の感慨もなく断ると、角が立たない程度に詫びを入れて去ろうとする。しかし腕を掴んで強請まれたので、心底面倒だと不満を募らせるがそれを噫気にも出さない。

 その子とは特別仲も良くない――強いて言えば文化祭の準備期間中に何度か話した程度の関係でしかなかった。困っていた所に手を貸してあげたら何か勘違いをしたらしく、こうして告白に踏み切ってきたのだ。だから他人と絡みたくなんてなかったのに。

 残念だが興味もない相手と付き合う…もとい一緒にいる事すら億劫なのでそういうのは極力避けておきたかった。


「あ、あの、どうしてか理由を聞いても…?」


 今にも泣き出しそうな顔で此方を覗く彼女だが、その事で特に思うことはない。

 見ればその子は決して可愛くない訳ではなかった。大抵の男ならその涙に騙されコロリと堕ちてしまいそうだが、湊は逆に冷めてゆく感情を悟らせまいとして返事を返すだけだった。


「俺は君の事をよく知らないから。付き合うかどうかは別として、まずは互いに理解し合う事が大事だと思う」


 だから、と付け加えてチラリと彼女の顔を伺う。先程溜まっていた涙がその眼には既に無く、代わりに何かを期待するような表情だけが浮かんでいた。

 それを見て一瞬だけ眉を寄せるがすぐに引っ込ると、気持ちとは裏腹に花が咲くような清純とした笑みを張り付けた。

 最早彼は目の前の女を見ていない。嫌悪感を剥き出しにする事はないが、さっさとこの場を終わらすことだけに笑顔を作るのだ。


「先ずは“友人”として、接してくれないかな」

「はい、勿論! じゃあ、これからは友達としてお願いね、くん!」

「…あぁ、よろしく」


 そして彼女は湊が最近多用している逃げ文句・・・・を嬉々として受け入れると、満足げに帰路へと就いていった。

 これで彼女からの接触を絶てば自分の気持ちにも気付くだろうと何となしに考える。告白してきた相手の情報を記憶の底へと沈め、学校を出る頃には顔すら覚えていなかった。



………

……



 湊が帰ろうとすると校門の前で“親友”が迎えてくれた。


「よう、湊。終わったのか?」

「あぁ。待ってくれてたんだ、蓮」


 湊の姿を確認した――下手したら中学生にも見える――青年はツンツンした髪が逆風で乱れるのも気にせず小走りでやって来た。

 湊の唯一無二の親友、鷹野蓮だ。隣に立つと湊の肩ほどしかない身長が目立つが、それを本人の前で言うことはしない。あくまで心の中の発言だ。


「んで? どうなったんだ?」

「? どうなった…って何が?」

「だーかーら! 放課後お前ん所に来たあの女子とはどういう関係になったんだよ!」


 あぁそれか、と納得してニコリと笑って見せた。


「友達になったよ?」

「かぁー! またそれかよ! やっぱりなあ。一人でこっちに来たからもしやとは思ったんだが…」


 やっぱりと言うなら聞かなくても良くないかと思うが、これも心の内に留める。


「仕方ないだろ。あまり関わったことがない人だったし」

「お前の場合それは全員に当て嵌まるだろ。もう誰でも良いからさっさとくっつけ。見てるこっちが苦労する」

「何だよ。中学の時はあれほど俺に恋人が出来るのを嫌がってたくせに」

「中学と今とじゃ状況が違うっての。気付いてんのかどうか知らねーけど、三年の先輩方がお前の噂聞いて何処と無くピリピリしてるんだよ」

「…それは俺が悪いのか?」

「さあな。ただの嫉妬だろう。だけど気を付けろよ? 唯でさえ目立つだから、お前」

「はは、そうだね。善処するよ」


 こう言ってはいるが改善できた試しがないので蓮は諦め半分でそれを確認する。

 実際、男である蓮から見ても天宮湊は別格だった。


 彫りが浅く、中性的な顔立ちに澄んだ淡青色ライトブルーの瞳。恬澹な性格とは裏腹に眼を見ただけで誰も彼をも巻き込んでしまう危うさを秘めていた。鼻の曲線美は色気で満ち、日本人でありながらエキゾチックな肌を持ち合わせている。

 同性の蓮でさえ思わず息を呑む美しさと、それでいて程よく肉付いた身体は細身ながらに力強さを覚える。そのギャップに心射たれた女は数知れない。

 おまけに一際目を引くのがこの長髪ストレートの白銀色だ。染めているのではない、正真正銘の天然銀髪。


 およそ日本人離れした…というより同じ人間かと疑いたくなるほどの美貌はアイドルさえ霞んで見える。まるで少女漫画に出てくる王子様のような姿なりは、正にうら若き乙女の憧れなのだろう。

 湊と付き合うだけで一種のステータスとなり、一度の成功も見られぬまま犠牲者だけが後を絶たない。


(……おまけに背もそれなりに高いし)


 成長期の終わりで180前後というのは特別高い訳ではないが、165の俺からすると文字通り高望みとも言える。

 俺もそれなりに出来た方だと自負してはいるが、こいつの隣に立ったら霞んで見えるだろう。……決して背が低いからではない。


 そんな湊にも苦手としているものがある。それこそが人付き合いだ。


「でも正直、あの子とは何があっても仲良くなれそうにないな」

「…何かあったのか?」

「告白を断ったときに彼女泣いたんだけどさ、それが嘘泣きだったんだ」

「あぁ~、成程えたのか。お前の同情を誘おうとしたんだろうが、そりゃあご愁傷様だな」


 何が残念だったなって、湊の前で余計な嘘をついてしまったらだ。それだけでその子はコイツから一線を引かれる事になるのだから――


「なぁ、何度も言ってるが、もうちょい友達基準緩めねーか?」

「厭だね。我慢してまで周りに合わせるくらいなら友達なんて居なくて良い」

「つってもよぉ~、ちょっと厳しすぎるぜその条件」


 前を見ながら淡々と答える湊に、俺は再度息を漏らす。こいつは外側を見られがちだが、むしろ内側にこそ特異的な一面を持っている。

 湊の人付き合いが上手くいかない理由――もとより人付き合いしない理由が此処にある。


天宮湊には他人のついた嘘が視える・・・


 世の中には「共感覚」と云われるものがある。都市伝説並みに胡散臭かった噂であるが、荒唐無稽な話ではない。実際にそういった人間が世界で何人か確認されている。

 曰く、視覚と聴覚が混ざりあって人の吐いた言葉から感情が見えるだとか、触覚と味覚の合成で触れた物の味が分かるだとか。


 人間は外部から受けた刺激を五感のいずれか一つが反応して脳に伝える。故に一つの刺激に二つ以上の感応器が反応することはまず有り得ないらしい。

 仮に二つ以上の感覚が同時に感知して刺激を脳に伝えてしまうと、さっき述べた通りに通常では有り得ない反応が起きてしまう。そうなると人間の頭では処理できなくなって脳に異常を患うこともあるんだとか。


 それをいってもよく知らない奴は「かっこいい」とか「便利なんだな」なんて軽い言葉を軽い感じで言ってしまうが、俺はそうは思わない。何故なら湊はそれが原因で苦労している。すぐ近くでそのことを見ているのだから。


 つまり、湊もそんな有り得ない力を持っている。

 しかしコイツの場合はそんな中でもかなり稀で、おまけに質が悪い。それ故「共感覚」と呼べるのかどうかも怪しいのだが、本人としては最早どうでも良いみたいだ。


「『人がついた嘘が視える』…だっけか? ちなみにその子はどうだった?」

「胸の辺りが黒く染まる程度」

「ふ~ん。まぁいつも通りだな」


 蓮の薄いリアクションに満足がいかなかったようで少し拗ねたように言葉を吐いた。


「逆にいつも通りじゃなきゃ困る。この前の子なんてマジで危なかったんだから」

「あぁ…お前に振られてからその後告ってきた子の悉くを殺傷沙汰にした奴か」

「俺も驚いたよ。彼女見たときマジで吐きそうになったし、つか実際後で吐いたし」

「おまっ…流石にそれは可哀想だから止めとけ」

「頑張って耐えた」


 若干誇らしげに頬を緩めた事で俺も失笑を溢した。

 だがそこで気になった事が頭をよぎる。


「……ちなみにどういう感じだった?」

「脳の中を直接指で弄られる感覚って言ったら分かる?」

「ごめん分からん。けど絶対視たくないってことだけは凄く伝わった」


 相変わらず分からない奴にはとことん分からない感覚だったな。

 けど確かに、それは想像するのも嫌だな~。


「気を付けろよ? 無いとは思うが今後もあんな子が来ないとも限らんし。無いとは思うが……」

「言われるまでもない」


 相変わらずの軽い返事だが実際苦労しているのだから本当に余計なお節介なのかもしれない。


 湊は相手の嘘にだけ・・反応する共感覚を持っている。

 おまけにそれが自分以外――他人が話しているのを見たり聴いたりした時――にも反応するので回避出来ない。


 俺は見えないので湊の受け渡しになるが、これは本当に質が悪い。

 例えば相手が他の人を気遣う為の「優しい」嘘を憑いたとしよう。その場合湊の眼には『善意の抜かれた嘘』が見える。逆に相手を陥れるための嘘だったとしても『悪意を抜かれた嘘』として見える訳で……

 そう言えばさっきの会話で嘘の大きさが変化する、みたいなのがあったと思うけどあれは湊曰く参考程度にしかならないらしい。

あれはついた嘘に掛ける思いの強さであって、『自分に対する害悪の度合い』ではないと言う。


 正直よく分かんなかったのでそこら辺は話し半分に聞いていた――自分には見えないから関係ないやと高を括った感も無きに有らずだが――


 要は何が言いたいのかというと、湊には目に見える人間が全員敵に見える、ということだ。

 故に湊の本当の意味での親友ダチは俺を除いて誰もいない。


 人は平気で嘘を吐く。

 程度は小さいかもしれないが、確かにその瞬間人は真実を見えないところに隠そうとする。その行いが湊には視えてしまう。

 目の前で話している人間が突然に真実という物体を後ろ手で隠し、何事も無いように話を続けている。

 勝手な推測だが湊にはそう感じているのかもしれない。コイツに善悪の判断はつけられない。もしかしたらそれは自分を害すモノかもしれない。

 これだけ聞けば些細な事だが人に、まして湊に警戒心を抱かせるのは充分だ。

過去の経験もあり、コイツは人一倍警戒心が強い。


 実際、俺と湊が出会ったのは中学からだが、湊が本当の意味で俺を「友達」と認めたのは一年の終わり頃だった。それまではずっと周りと同様に観察されていた……らしい。曰く、俺が信用できる人間か否かを。その時に共感覚の事も教えてくれた。

 どうも慎重過ぎる気もするが詮索するような野暮な事はしない。折角手に入れた親友という立場を易々と捨てるような愚行真似はしたくないからだ。


 だから湊に告白したっていうさっきの……いや今までの子達全員、湊の認識では少し面識のあるその他大勢に組み込まれているのではないか。


 ちゃんとフラないのは後で色々面倒くさくなるからだそうだ。それだったら友達と言う立場に甘えてもらい余計な誤解を生まなければ良いと考えている。

 そうすればその子とはある程度の関係として維持できるからだ。


 俺はそれを寂しい生き方だと思う。面倒だからと斬って捨て、自分ではなく相手から離れていくように仕向けるその生き方が。

 でも何も知らない俺が言ったところでそれこそ要らぬ衝突を招くだけのような気がして言葉を呑む。


(いつかコイツが自分から身を任せるような存在が現れれば良いんだけどな……)


 それが簡単ではないことくらい、一番近くで見てきた彼には身に染みてよく分かる。



………………

………



「じゃあ俺はここで」

「おう、またな湊」


 暫く一緒に帰った所で、いつも通りの別れを告げ、互いの家路に着いた。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆




「母さん、ただいま」


 今日一日を何事もなく? 過ごした湊は食事を作る前に日課の黙祷を捧げていた。

 ここに引っ越してからもう五年になるが、部屋には必要最低限の物しか置いてない。

 小さな冷蔵庫とベットと一人用のテーブルと――あとは今拝んでいる両親の仏壇ぐらいか。

 趣味も何もない、本当にただ休むだけの部屋を見せた時は蓮に呆れられたものだ。


 天宮家は両親とその一人息子である湊の三人構成であるが、父は湊が生まれてくる前に死んでしまいその後一人で育ててくれた母も中学に上がる前にこの世を去った。

 幼い頃は今では信じられないくらい母にべったりで、母が死んでからは暫くどう過ごしていたかハッキリした記憶がない。

 そうして復帰してからは父を含めた両親の生命保険金と元々残してくれていた多額の貯金もあり、湊が成人するまでの間は余裕があるくらいの生活を送れている。


 最初は慣れない一人暮らしに四苦八苦していたが、今では大抵の事なら自分でこなすようになっている。

 親戚もおらず周りの人達から色々援助の話も受けたが、それすらも自分を色目で見ている気がして即座に断った。この眼のせいで人が多い所も好かず、態々わざわざ都心から離れた学校へと進んだくらいだ。


「……」


 手を合わせたまま時間が過ぎる。そして眼を開けると、仏壇に飾られた母の遺影が映った。


「さてと、ご飯の準備でも……って、えっ?」


 立ち上がろうとした瞬間、自分を中心に青白く、そして見たこともない幾何学的な文字を書いた円が出現した。

 その光は段々強さを増していき、やがて眼も眩むような発光を起こした。


「っ!」


 堪らず両腕で顔を隠し、光が弱まるのを待つ。

 そして思った通り光が収束していき、やがて瞼の裏に刺激が無くなるのを感じて恐る恐る眼を開けると…






「……………は?」



 自分のすぐ前に我が眼を疑うほどの――実際疑うことなんて出来やしないが――金髪の美少女が座り込んでいた。


 瞼は赤く腫れぼったく、頬には涙の後があるがそれでも端正な顔立ちに陰りを与えるには及ばない。月光の下で・・・・・見る彼女の容姿は、とんでもなく際立っていた。

 処女雪のような印象を受ける繊細で滑らかな白い肌、すっと抜けるような鼻筋、紅を引いたような唇。

 ほっそりとした輪郭は儚げで、神秘性をすら感じさせる。愛想笑いの一つだって傾国の美貌と吟われても可笑しくない。


 年は湊と同じか少し下くらいだろうか。未だ可憐あどけなさが残る顔つきとそれにたがう大人の身体つきは、世の男共を堕落させてしまうだけの魅力がある。

 何より湊が眼を剥いたのは、パチリと開かれて現在進行形で涙が流れ落ちている翡翠色の瞳。宝石をそのまま埋め込んだかのような奥深い鮮やかさに眼が放せなかった。

 人に言えたことでは無いが、およそ人間離れした容貌は湊でさえ息を忘れるほど。


 おまけにごく普通の? 家庭で育った湊には馴染みのない高級そうな、それでいて清楚な雰囲気のドレスを着ている。

 それが何故か泥や切り傷を多数付けられて本人もそれと同じくらいボロボロだったが、それにより魅力を損ねる事もしない。むしろ乱れたドレスが彼女の艶めかしい肢体や無防備な箇所を晒していている訳で……


「は…?」


 取り合えずそこから少しだけ視線を外し再度疑問符を吐き出した。色々と自分の頭で処理しきれなくなってしまった。


 湊と謎の美少女。

 彼女も自分を見て唖然としている。が、突如泣きそうな…いや、実際泣きながら凄い勢いで抱きついてきた………って、えっ?


 そして赤く形の良い唇を開き、若干の幼さが残る鈴の鳴るような声で――


「勇者様お願いです! どうか…、どうか皆さんを救ってください!」


 いきなり訳の分からない事を言ってきた。それに対しての湊の反応はと言うと…


「は?」


 三度目となる疑問符を投げ掛けるのみであった。


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