第8話 7月27日(3)
カバンの中には、聴診器のようなものや、いくつかのビン詰めの薬品、デジタルカメラ、脱脂綿、それに長さが三十センチくらいの鉄製の棒が入っていた。棒は先端が丸くて平たい形をしており、そこに「済」という字が彫られていた。おそらく家畜などに押す焼印だと思われた。カバンが大きくて重いのはこれが入っていたからだ。
「聴診器でかいな」掛川は興味深そうに見ていた。
「特に怪しいものは無いな…」一応カバンの隅々まで見たが、大丈夫そうだった。宮本はホッとした。
そのとき「咲良、何やってんだよ」と、掛川の声が聞こえた。
見ると、薬ビンのひとつを開けて液体の匂いをかいでいる。
「これいい匂い」
「劇薬とかだったらどうするんだよ」
咲良はビンを掛川と茉奈に近づけて匂いをかがせた。
「ねえ、ほら」
「おおぉーすげえスースーする」
「うわ、何これ?」
…何かやばい感じだ、やばい液体なんじゃないのか。
「ミヤちゃんも、ほら」と咲良がビンを近づけてくる。
鼻にツーンと刺激がきた。その後、胸の中に風が吹き抜けるような爽快感がやってきた。宮本は大きく息を吸い込んで目を閉じた。
「あーなんか暑っつい」と言って咲良と茉奈はTシャツを脱いだ。ブラを取り、おっぱいがぷるん、とこぼれ出た。
まずい、完全におかしい。
咲良は自分の乳首にビンの中の液体を塗り始めた。
「あんっ、くすぐったい」
掛川がその胸に吸いついた。
このままでは何か、すごくやばいパーティーが始まってしまう予感がする。止めなくては…
そう思って、咲良のほうへむかおうとした時、足がもつれた。思わずフローリングの床に手をつく。
―ああ、頭がクラクラする、何の薬品だ?これ。
顔を上げると、柔らかいものが頬に触れた。
「ミヤちゃんも、吸って」咲良がとろんとした眼をして、宮本の顔に胸を押し付けてきた。
―目の前にピンクの突起が見えた、咲良の乳首だ。そのピンク色が、今まで見たことがないくらい綺麗なピンクに見えた。
やばい、やめておこう、と思いつつ、そのピンク色に頭が支配されていくのがわかった。思わず顔をそむけようとした時、頭がボンヤリして思考が止まった。
宮本は咲良の胸に吸いついていた。乳首を吸った瞬間、舌にピリっとした刺激が走った。そして巨大な爽快感が身体を襲い、宮本は意識を失った。
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