解説

 木星:Jupiterジュピター、ラテン語ではユピテル、ギリシャ神話では全知全能の神であるゼウスと呼ばれることもあるようです。


 地球からおよそ6億km離れた場所に位置するその惑星は、太陽系で最も大きな惑星で知られています。その直径はなんと地球の11倍。


 この惑星、地表がなく周りを荒れ狂う雲で覆われています。

 つまり地球で言えば台風クラス、いや時にはそれ以上の嵐が惑星全体で常に起き続けているのです。しかもその周りには強力な放射線と電磁波が発生しており、近寄ることすらままならないとのこと。


 それでももし近づいたらどうなるか?

 大きさは地球の千倍程度ありますから、最も遠くの重力は地球の三倍程度とのことです。

 ですが、中心に近づけば近づくほどその重力は凄まじく大きくなっていきます。

 およそ千km程度まで近寄ってしまうともう二度と地球には返って来れないと言われています。そのまま強大な重力に吸い込まれ、ガスの中をどこまでも中心に引き寄せられ、やがて支えきれなくなった自分の重力に潰れてしまうことでしょう。


 この強大な惑星、組成としては太陽に似ているそうです。

 太陽になれなかったのはなぜか、それは質量が足りなかったからではないかと言われています。


 そこでふと思いました。木星は本当は太陽になりたかったんじゃないかって。

 太陽といえば、熱く燃え上がり、自分の系を持ち、自分を中心に惑星が回る、ある意味憧れの存在。

 一方太陽になれなかった木星は遠く離れた場所で太陽の周りを回り続ける。常に怒りの嵐を吹き荒らし、強力な電磁波を発し、近寄るものを深淵まで吸い込み続け、最後は潰してしまう。

 そんな木星は今でもいつか太陽になれる日を夢見て回り続けているんじゃないか、なんてことをふと思ってこの話が生まれました。


 その他出演して下さった惑星達です。実際には少し名前を変えています。


太陽 :太陽の神アポロン

太陽系:ラテン語でsystema solare シュステーマ・ ソーラーレ

水星 :Mercury マーキュリー

地球 :Earth アース

月  :Moon ムーン

冥王星:Pluto プルート


木星のガリレオ衛星四つのうち、二つ。

イオ  :太陽系でも最も激しい火山活動が常に生じている

ガニメデ:太陽系最大の衛星、水星よりも大きい


 惑星の名前とギリシャ神話辺りに少し詳しい方なら名前でお気づきになった方もいらっしゃったかもしれませんね。


 最後までお読み頂き、ありがどうございました!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る