いつかまた君に会いたくなるだろう。
清水 優杏
第1話 ここから
家に帰ったら課題をしなくては、私はそう思いながら駅のホームを歩いていた。
私は止まっている電車をふと見た。
その電車の中には"あの人"がいた。
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「都会」とは反対の所に住んでいて、4月から高校生となった私、釣畑美羽(つりはたみはね)。
県立の桜丘南高校に入学して早2ヶ月。
駅の人の多さや満員の電車やバスにも慣れてきた。私はいつも、早めに駅に着くため、ぎゅうぎゅうになってしまう電車にもすんなり座れる。
私はいつもの場所、1両目の1番前の端っこに座った。
時間が経つにつれて、どんどん人が乗ってくる。
かなりいっぱいになったところで、電車は発車する。
『江山駅~江山駅~扉が開きます。ご注意ください』
アナウンスがなり、人が続々とはいってくる。
その中には中学生の時から親しい、大宮舞花(おおみやまいか)がいた。
舞花ちゃんとは中学生の時、硬式テニス部で同じだった。そして今も同じ料理部に入っている。
コミュニケーション能力が高く、すぐ人と親しくなれる。
それに加え、高校入試では学年1位の点数を取った。
彼女といるとたくさんの刺激があり、すごく楽しい。
「おはよ~美羽ちゃん!今日も暑いね~」
明るく笑顔で入ってきた舞花ちゃんは少し汗ばんでいた。
「今日は小テストがある」や「体育のダンスが難しい」などたわいもない話をしているうちに降りる駅に着いてしまった。
駅から高校まで歩いて15分程。今はもう慣れてしまったが入学当初は早起きしてさらに満員のバスと電車に乗り、さらに15分歩く、というのがすごく辛かった。今は当たり前のようになっている。
高校に着き、自分のクラスの1年4組の教室に向かう。
教室は4階にあるためそこでも疲れる。
舞花ちゃんは1年6組のため、別れる。
教室に入るが最近席替えをしたため一瞬、自分の席が分からなくなる。
自分の席を見つけ、準備をする。
他にもクラスメイトが数人いた。
大体は、やり忘れていた宿題や課題をしている人がほとんど。
私も準備をして明日出す漢字のワークをやっていた。
すると前の席で室長(クラスのリーダー)の大塚蒼太(おおつかそうた)が来た。
彼も自分の席に着き、準備をする。
実は私は彼のことが少し、気になっている。
そこまでイケメン、という訳ではないけど優しく、よく笑っていて良い人だということがわかる。
席替えをした後のすぐの授業、彼は分からないことがあったらしく、私の右隣にいる友達、南川翔太(みなみかわしょうた)に聞いていた。
しかし、南川くんも分からなかったらしく、大塚くんは困っていた。私はその会話を聞いていたが、まだ喋ったことがなく「名前も知られてないかな」と思っていたため、「教えてあげようか?」とは言えなかった。すると、大塚くんが急に、「釣畑、教えて」と言ったため、私はびっくりした。「名前、知ってるんだ」と心の中で思いつつ、私は大塚くんに教えてあげた。それが私と彼が初めて喋ったこと。
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ここから私は彼に惹かれていく…
んだけど…
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