第40話 忍、部室!?
「鬼妖神様! どうかお力を与えたまえ!」
玉藻前が妖怪の頂点、鬼妖神の眠りし肉体に祈りを捧げる。妖怪の暗いアジトに新たな妖怪が生まれる。
「ピカーン! ビビビビビー!」
壁に埋め込まれた上半身のだけのような姿の鬼妖神。その目が光りビームを発射し、一人の妖怪が姿を現す。
「玉藻前様のお呼びにより駆けつけてきました。のっぺらぼうです。」
現れた妖怪は、のっぺらぼうだった。
「よく来た。のっぺらぼうよ。忌々しい忍者を倒して、奏姫をさらい鬼妖神様に捧げて、鬼妖神様を復活させるのだ!」」
「ははあ!」
こうして玉藻前の命令で、のっぺらぼうは人間界に出発した。
「今日は転校生を紹介します。」
奏の通う渋谷スクランブル高校の教室に新しい転校生がやってきた。
「のっぺらぼうです。よろしくお願いします。」
なんと転校生は、妖怪だった。
「ギャアアアアー!? 顔がない!?」
教室の生徒たちは転校生がのっぺらぼうなので驚いた。
「見つけたぞ! 奏姫! お前の命はもらった!」
のっぺらぼうは、奏を見つけると襲い掛かる。
「助けて! 睦月ちゃん!」
奏は、妖怪が現れてピンチになり、友達の睦月の名前を咄嗟に叫ぶ。
「これは姫の悲鳴!? 何か一大事があったに違いない! 直ぐに駆けつけるでござる!」
教室の天井裏部屋でゴロゴロ漫画を読み、おやつを食べていた忍者の睦月が奏の悲鳴を聞いて、慌てて戦闘態勢に入る。
「姫! 大丈夫でござるか!?」
睦月は、天井裏から教室へ飛び下りる。
「睦月ちゃん!」
奏は、睦月が現れたことで安心の笑みを浮かべる。
「あれを見て!」
「ムムム!? あれは妖怪!? のっぺらぼう!?」
睦月は、自分が逃がした妖怪の1匹、のっぺらぼうと遭遇する。
「由緒正しき忍者の家柄! 旧暦家の名にかけて! のっぺらぼう! お前は私が退治する!」
睦月の決めゼリフと決めポーズが決まった。
「のっぺらぼう妖術! 顔奪い!」
唐傘は妖術で傘についた雨の水滴を放ち睦月を襲う。
「キャア!?」
「うわあ!?」
奏と睦月は、予想外ののっぺらぼうの妖術に慌てる。
「ギャア!? 顔がない!?」
のっぺらぼうの妖術で睦月ちゃんの顔がなくなる。
「大丈夫!? 睦月ちゃん!?」
奏は飛び跳ねている睦月を心配する。
「大丈夫でござる。これぐらいのことで負けないでござる! 奏姫様、忍者に同じ技は通用しないことを見せてやるでござる!」
これでも睦月は、由緒正しい忍者の家柄、旧暦家の一人娘であった。睦月の闘争心に火が付いた。
「くらえ! のっぺらぼう妖術! 顔奪い!」」
のっぺらぼうが顔を奪おうと攻撃してくる。
「その手は私には通用しないでござる! 忍法! 旧暦分身の術! いでよ! 弥生!」
睦月は、3月の旧暦の分身の弥生を分身の術で登場させる。
「ギャア!? 顔がない!?」
弥生は、睦月の顔がなかったので驚いた。普段、睦月の分身たちは、皇居の奏の家で現在を満喫しながら生活を送っている。
「弥生! のっぺらぼうを倒して、私の顔を取り戻してほしいでござる!?」
「私の任せて! 睦月ちゃんの顔を取り戻してあげる! 忍法! いきなり太陽光線!」
弥生は、穏やかな笑顔とは裏腹に、忍術で太陽光線を出し、のっぺらぼうを攻撃する。。
「どこから光が!? ギャアアアア!? やられた!?」
太陽光線の光がのっぺらぼうに命中して倒す。
「やったー! のっぺらぼうを倒したでござる。」
「弥生ちゃん、スゴイ!」
奏と睦月は、を倒して喜んだ。
「ありがとう、弥生ちゃん。」
「奏姫様のためなら、どこにでも駆けつけますよ。それでは失礼いたします。またね。」
弥生は、主君の奏に挨拶して帰って行った。
「これで逃げた妖怪は後103匹。先は長いけど頑張るでござる。」
「私も何か手伝うわ。」
「奏姫様、ありがとうでござる。」
奏と睦月は、残りの妖怪退治を全力ですることを誓うのだった。
「己! 忍者め! 今度こそ倒して、奏姫を鬼妖神様に捧げてやる!」
妖怪の部屋の玉藻前はのっぺらぼうが倒されて悔しがった。
「こら! 転校生をいじめちゃダメでしょうが!」
先生は、転校生をいじめると怒る。
「怒られちゃったね。私たちは妖怪退治をしただけなのにね。」
「いじめは良くないでござる。ニンニン。」
奏と睦月の青春は、まだまだつづく。
つづく。
「ガーン!? 簡単に7話が出来てしまったでござる!? これでいいのか?」
睦月は、試しに創作なしに7話のテンプレートを書き換えてみた。すると、すぐに第7話が完成した。
「1話として、そんなに違和感がないわ。なんて恐ろしい!? これがテンプレートの実力なの!?」
奏は、妖怪の名前と分身の登場キャラクターの名前を変えるだけで、1話が完成することに恐怖を覚えた。
「もう各自のキャラクター作りも、イメージでは終わっているし、もう創作の時間はいらないかも。」
如月は、このように創作活動の場がいらない可能性に、初めて触れる。
「忍者は、忍者部を作ってしまうとライト文芸部から独立してしまう? それとも忍者部にしておけば、各部活動対抗戦で、運動会、文化祭、野球にカラオケ大会なんでもできるのかな?」
弥生は、メインストーリーはテンプレートで済むので、後方の憂いは絶ったので、作品のオリジナルな展開を考え始めた。
「まず部室問題。ライト文芸部は、アニメ愛好会か何かを部に昇格して、そのまま使用しているという設定だ。アニメオタクの怨念が漂っている。ヒイー!? 怖い!?」
卯月は、ライト文芸部の部室の歴史を考えると、背筋に寒気を覚える。
「だからライト文芸部の部室には、本物の幽霊おみっちゃんが住んでいたのか。納得しちゃう。」
皐月は、本物の幽霊おみっちゃんの住所がライト文芸部の部室なのは、おみっちゃんが幽霊なのにアニメ大好き幽霊なので理解した。
「だからといって、部室でペットを飼うのはいかがなものかと。」
水無月は、本物の幽霊おみっちゃんがライト文芸部の部室でペットの妖狐子供のコンコンを飼っている。もちろん他の作品の設定を、そのまま使用している。
「でも、そのおかげで妖怪の玉藻前が妖狐なので、子妖狐のコンコンと生き別れの親子などの感動ストーリーが創作できるわ。」
文月は、学者肌らしく壮大な物語を創作する。
「ところで私たち忍者クラブの部室は、天井裏でいいの? イベントする時にロフトが必要になるわよ。一層のこと黄色い看板のロフ〇で、イベントをするかい? 使用量がかかると思うけど。」
葉月は、コストも考える良い子に育った。夏らしくスイカを割っているだけではなかった。夜中に学校に侵入してプールを貸し切りで使うだけではなかった。
「それか空いている教室を部室ということで、次々と分け与えますか? そうしないと妖怪部? 妖怪クラブなんかは、学校の中に墓地や霊園を勝手に作っちゃいますよ。」
長月は、秋の夜長に各クラブの部室問題に黄昏る。
「神がお越しになれるように、出雲大社を作ろうぜ! 神のいる学園生活だ!」
神無月は、なんとしても神を誘致したかった。
「異世界ファンタジー部なんかできたら、部室の扉を開けたら、稲妻が走って光ったり、サキュバスみたいな変態が現れて、10代の性欲を奪うんだろうな。うらやましい。」
霜月は、霜だけでなく下ネタも扱うへっぽこぶり。
「過去の10万字作品も「ライブ!? 軽い文芸部の話」に移設しよう。登場と編集、文字数で助かる。全作品を1作にまとめればいいのだ。ワッハッハー!」
師走は、シンクビックな思考の持ち主で大暴走する。
「これでいいのか?」
「これでいいのだでござる。ニンニン。」
「旧暦忍者の第7話をアップしてくるでござる。」
カロヤカにお任せあれ。
つづく。
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