創作中
渋谷かな
第1話 108匹の妖怪を逃がした忍者!?
「私たちの第4期も創作は終わったし、次の作品にいってみよう!」
天は、ライト文芸部の部長として部員を導く。
「書き残しの「ジャパロボS」か「忍者の睦月ちゃん」ね。」
麗は、選択肢を2つに絞る。
「本当は、病気的に異世界ファンタジーモノを書きたいところですが、書きかけを何とか処理しないと、また私たちが引き取ることになってしまいます。」
大蛇は、相変わらず真面目だ。
「先輩作品は、ポケットモンスタ〇と忍者ハットリく〇です。パクリではなくリスペクト&オマージュです。ニコッ。」
笑は、認めなければ何をしても許されるのが業界の掟だと言っている。
「スマホでも、忍術でも、私はできますよ! カロヤカにお任せあれ。」
カロヤカさんには限界はない。スマホでも忍術でもできてしまうのだ。
「あの私の話をほっぽり出して大丈夫なんでしょうね?」
苺は、自身の作品が放置されていることを心配する。
「みなさん! 今日の和菓子は、抹茶のかき氷です! もちろんお茶もありますよ! エヘッ。」
本物の幽霊おみっちゃんは、いつも和菓子とお茶を用意してくれる。ありがたい、感謝。
「本当に忍者モノをやるのであれば、ここに登場してもらって、しっかりとキャラクター作りをしないといけない。テンプレートを作る前に登場人物の枚数を揃えないとな。それとも私たちの世界に忍者を登場させるのか? あ、私は食べたら帰るからね。」
幽子は、ついに9人目の登場人物が登場したり、別作品の世界を、ライト文芸部の世界にこじつけて合成しようとしている。
「ショートコント・スタート!」
「正直、お昼寝の時間で眠たかったが、目が覚めた。」
「そうだ! ライト文芸部の最大の課題は過去の作品を一つに無理なくつなげるということだった!」
「そうね。そうすれば過去の作品を無駄にせず、また使えるというロマンシングサ〇状態。七英雄に四魔貴族。それしか人気があって頼れるキャラクターがいないんだろう。」
「どの作品にも登場しているのは、すごいな。」
「ドラク〇3の発売日に長蛇の列ができたのと同じ位すごいわ。」
「幸い「忍者の睦月ちゃん」は、まだ4話を書いているくらいだったから、約5話からのテンプレートを作ればいいのか。」
「そうだね。とりあえず、この辺りで睦月ちゃんに登場してもらおう。」
「どうぞ! 忍者の睦月ちゃんです!」
「どうも! 睦月です! ニンニン。」
「おお!? 忍者だ!?」
「ていうか、最後にニンニンをつけたら、ハットリく〇のパクリになってしまう!?」
「じゃあ、もう誰も「ニンニン」は使えないの?」
「気にしなければいいんじゃない。」
「そうそう、ファイナルファンタジ〇もドラゴンクエス〇のパクリだし。」
「認めなければいいのさ。それが業界の暗黙のルールだ。」
「訴えを起こす人間の方が悪者扱いされるのが、この業界だ。」
「そうか。忍者だからニンニンは普通だけど、忍者モノで「だってばよ。」って言ってる方が不自然だ。」
「まあ、オリジナルなんですけどね。」
「じゃあ、睦月ちゃんなら、ムツムツでいいのかな?」
「不自然だよね。」
「ていうか、睦月ちゃんが一言もしゃべってない!?」
ここで睦月ちゃんの第1話を読み返す。
「うわあ!? 真面目に大作路線だ!?」
「ちゃんと108匹の妖怪を倒すまで終わる気がない設定だ!?」
「青春学園日常モノの私たちとは違うんだな。」
「睦月ちゃん。」
「なに?」
「睦月ちゃんって、ポンコツ忍者だったんだね。」
「グサッ!? な、なにを言う!?」
「だって108匹の妖怪を逃がしたのは、睦月ちゃんだもの。」
「グサグサッ!? し、死んじゃうでござる!?」
「その割には、忍法で次元を超えてくるとか、すごいね。」
「その通りでござる! ニンニン。」
「立ち直り、ハヤ!?」
「旧暦家は徳川将軍家に仕えし、由緒正しき忍者の家柄。ということとで、睦月は忍者としては優秀である。少し、おっちょこちょいなだけでござる。」
「ござるも、ニンニンも、ハットリく〇で使用済みだね。パクリだ。」
「パクリではないでござる! そのようなことを言っていると、何も書けなくなってしまうでござるよ。」
「さすが睦月ちゃん! 良い事を言う!」
「それ程でも。」
「結論、ライト文芸部には本物の幽霊おみっちゃんも出ているぐらいだから、本物の忍者の睦月ちゃんが登場しても変ではないだろう。」
「やったー! 睦月も登場していいのでござるね! 嬉しい!」
「やったー! これで睦月ちゃんの学校のクラスメートと教師を最初っから考える手間が省けた! 嬉しい!」
「思いっきり心の声が外に出てるぞ。」
「まさにネットゲーの「ライブ!? ライト文芸部」に「忍者の睦月ちゃん」コラボガチャ・キャンペーン中ってやつだな。」
「次は、第2話を読んでくるか。」
「少々、待たれよ。」
「どうしたの? 睦月ちゃん。」
「拙者は、現世で姫を見つけたでござる。」
「姫!?」
「ついにキター!? ライト文芸部に姫が降臨する日が!?」
「恐ろしや!? 恐ろしや!? 祟りに違いない!? 悪霊退散!? 悪霊退散!?」
「あの幽霊の私の立場はどうなるんでしょう?」
「とりあえず、2話を読んでこよう。何かが書かれているはずだ。」
「実は、睦月ちゃんを書き始めたことも忘れていたものね。」
「人間、脳みそは1つなんだから、新作を3個も4個も抱えきれないって。」
「そこでテンプレートの登場ね。」
「そうそう。」
「ただ楽したいだけだったりして?」
「バレたか!?」
「どうでもいいから、早く2話を読んで来い!」
「行ってきます!」
カロヤカにお任せあれ。
つづく。
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