第8話
その後も上手く連携をとり次々とスライムを屠り順調に経験値とスライムゼリーというドロップアイテムを稼いでいた。
「アナログ放送そっち飛ばすぞ!!」
「俺はテレビじゃねえ!!『フレアスラスト』ォォ!!」
アキがふざけた台詞を吐きながら大盾でアロナグの方へとスライムを弾くと、それにアロナグが合わせ一突きでスライムの核を貫いた。
よしよし、結構当たるようになってきたな。
俺が命中率の上がったアロナグに心の中で小さな賞賛を送っていると
「はぁ、はぁ…………やるね、ほね太郎」
「カラ……」
出る前は有り余るほどの元気を周りにぶちまけていたサツキだが流石に洞窟をぐるっと一周するのは疲れたらしく、肩で息をしながら静かにほね太郎を賞賛し呼吸に専念し始めた。
そしてほね太郎よ、お前膝に手をついてるがその身体は疲れる身体ではないだろう。
「カラッ」
若干呆れつつほね太郎達を見ていると後ろからくま五郎の声━骨のなる音だが━が聞こえてくる。
「おーお帰りくま五ろっ……ぴゃっ……」
「カラッ?」
くま五郎に声をかけようと声のした方を向くと、そこには真っ赤な血に染ったくま五郎の姿が写り小さな悲鳴をあげてしまった。
そ、そぅだ、俺が命令したから殴りに行ったんだもんな、このゲーム無駄にリアルだからプレイヤーからも血が出るんだよな、だからこんなになってるんだな、おにぎりが食べたいんだな。
振り向いた瞬間、ホラー映画ばりの恐怖を味わったアキは心臓をバクバクと拍動させ、おかしな思考になりつつホラー映画の殺人鬼のような見た目をしたくま五郎の血を拭う。
「兄貴、あれにぶん殴られてみたら?」
「断固拒否する!!」
「ちょっとおしり蹴られてみたいかも…………」
「「え?」」
そんなこんなでタムラザ洞窟でのレベル上げを終え、新たなフレンドと経験値を手に入れたのだった。
ステータス確認ターイム
アキ Lv5
種族 ヒューマン
メインジョブ
ガーディアンLv7
『タウント』
Str: 2(-5)
Vit: 12
Dex: 1
Int: 1
Mnd: 3
Agi: 1
Luk: 3(-5)
SP: 0
サブジョブ
ネクロマンサーLv8
『サモンスケルトン』
『従魔召喚』
・ほね太郎Lv7
・くま五郎Lv4
パッシブスキル
Nodata
装備
右腕:Nodata
左腕:初級守護者の大盾
頭:Nodata
胴:ウッサーT
腕:Nodata
腰:新参者の革ズボン
靴:新参者の革靴
アクセ
指輪:死霊王の灯火
首飾:Nodata
ほね太郎【スケルトンナイト】 Lv7 (隷従者 アキ)
Str: 11
Vit: 5
Dex: 8
Int: 4
Mnd: 5
Agi: 6
Luk: 0
モンスタースキル
死霊剣術Lv7
装備
右腕:亡国の剣【破損】
左腕:亡国の盾【破損】
頭:Nodata
胴:Nodata
腕:Nodata
腰:Nodata
靴:Nodata
アクセ
指輪:Nodata
首飾:Nodata
くま五郎【スケルトンモンク】 Lv 4 (隷従者 アキ)
Str: 12
Vit: 1
Dex: 7
Int: 2
Mnd: 1
Agi: 14
Luk: 0
モンスタースキル
闘争本能Lv3
装備
右腕:アングリーフィスト
左腕:ベアーフィスト
頭:ベアヘッド
胴:ベアコート
腕:ベアアーム
腰:Nodata
靴:ベアレッグ
アクセ
指輪:Nodata
首飾:Nodata
プレイヤーレベル自体はそこまで上がってないけどスキルレベルがまぁまぁ上がってるんだよな。
「なぁサツキ、ジョブレベルが上がるのにプレイヤーレベルが上がらないんだがなんか原因知ってるか?」
「ん?プレイヤーレベルは純粋な経験値、ジョブレベルはジョブに応じた行動でレベルが上がってくんだよ?」
洞窟からの帰り道でサツキに聞いてみるとさも当然と言わんばかりに返された。
「い、いや、そんなの初耳なんだが」
「うん?さっくんみんなに公表してないのかな?βプレイヤー達が試した結果なんだけど」
「それかなり重要な情報だから巷に上がるのなんて随分と先になると思うんだが…………」
俺が若干呆れ気味に言うとサツキは「そうかなぁ?別に大したことでもなくない?」と返し道中で拾った木の棒をブンブンと振り回す。
「お前危ない」
「だーいじょぶだーいじょぶあっ……」
「あっ…………」
ブンブンと振り回していた木の棒はサツキの手をすり抜けすっ飛んで行き━━
━━ゴンッ
不自然に置いてあった岩のような物に当たる。
「だから危ないって言っただろ?」
「いやぁ、危ない危ない」
「本当にお前ってやつわあぁぁぁ…………」
アキは言うことを聞かないサツキに軽く説教をしようとしたが、突如として動き出した岩のようなものに驚き次の言葉が出てこない。
「あっ、やば、ゴーレムじゃん…………」
「な、なぁ、サツキ……ゴーレムってどのくらいの戦力で倒せるんだ?」
「えーっとね、プレイヤーレベルが5以上のメンバーが5人は必要なくらい?」
「よし、死んだな」
サツキの現実的な話に俺は軽く匙を投げた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます