ライブ再放送
2019/8/24 漫才ブームツアー沖縄 漫編
先日、私は初めてお笑いライブを見に行った。
見に行ったのは、吉本沖縄花月で開かれた「漫才ブームツアー」の沖縄編である。出演者は、ツートライブ、金属バット、デルマパンゲ、ミルクボーイの四組の漫才師だ。
金属バット目当てでチケットを買い、ワクワクしながら当日を迎えたのだが、パソコンの調子が悪くて色々しているうちに時間が差し迫り、慌てて車で出発した。
結果、最初のツートライブの一本目には間に合わなかった。大変に申し訳ない。
途中で会場に入って、幕間に自分のとった席に移動する私と同時に、同じく舞台上に現れた芸人さんが。
金属バットだった。私が席に座ると、お二人が、目の前に立っていた。
ここで突然だが、沖縄花月が入っている「とまりん」という施設についてのご紹介。那覇の泊港にある、フェリーのターミナルビルである。
その中には、ローソンとか沖縄料理店とかお土産屋さんも入っていて、沖縄花月は割と端の方に入っている。最初にチケットを買いに来たときは、そう広くもない施設なのに、どこに沖縄花月があるのか探し回ってしまった。
だからなのか、舞台と客席が、結構近い。そして舞台がすごく明るい分、客席が非常に暗かった。
そのため、舞台上の芸人さんの何名かが、お客さんの顔を見ようと手で目の上にひさしを作るようなポーズをとっていた。
さて、そんな中でのファースト金属バット、第一印象は、「近っ! でかっ!」だった。家族の中に百七十センチ越えの人がいないので、そのような感想が出た。
そのあとに、少し落ち着いて、「そ、存在している……」と思った。落ち着けていない。
第一印象についてはこれくらいにして、肝心の漫才の内容を。
テレビで見るように、「どうも、金属バットです」の小林さんの挨拶からスタート。それから、「会社の金で沖縄に来れた」と友保さんが嬉しそうに話していた。
つかみのフリートークでは、出囃子を友保さんが選んだという話や、海風で友保さんの髪がぼさぼさになってしまった話、とまりん一階のお土産屋さんでみんながサングラスを買う中で小林さんだけが値段の張る水中ゴーグルを買っていたという話、そのお土産屋さんでデルマパンゲの迫田さんが派手なブーメランパンツを買おうとしたけれどくすんだ色しかなかったという話などなど。
つかみで沖縄の話を聞けて嬉しかった。というか、もうお土産屋さん行ったんですねと、なんだか微笑ましい気持ちに。
それから漫才本編へ。タイトルをつけると、「恩返し」だろう。
ある日、鶴を助けた小林さん。それから、鶴が美女になって小林さんの家へ恩返しに来たのだが、そのまま居ついてしまっている。
「鶴の恩返し」からスタートして、日本昔話的な場面に次々遭遇する小林さんの行動に、友保さんが話を聞きながらツッコんでいく。
昔話や童話ベースのネタは結構多いけれど、やっぱりベタな内容だとその芸人さんの色が出やすいと思う。女性から鶴への変身シーンの下りとか、いじめられている亀の下りとかが好き。
そして、後半での畳みかけ、小林さんの××が発覚する。友保さんの「コバちゃーん」も生で聞けた。
その時に、小林さんが「なんくるないさー」と言って、それに対抗するように、友保さんが意味もなく「シーサー」「海ぶどう」「ちんすこう」と沖縄ワードを繰り出すというアドリブには、手を叩いて笑った。
ちなみに、締めの挨拶は友保さんの「お疲れっした」だった。
舞台上から履けるときに、友保さんの靴が脱げてしまうハプニング付き。
続いては、デルマパンゲ。ちなみに漫才は初めて見る。
最初はツッコミの広木さんが自己紹介をして、コンビ名と名前だけでも覚えてくださいとあいさつすると、ボケの迫田さんが「お客さんにストレスをかけさせるな」と言い出して、独自の理論でストレスになるという理由を話し出す。
それから、迫田さんが広木さんに、「登場の時に膨らんでいたぞ」とか、自身の特徴的なモヒカンについての話をして、それから女性が多い客席に対して護身術を伝授する。
迫田さんの話す護身術は、メルヘンでグロテスクという印象。人が眠ったら口から「ZZZ」が出るけれど、その理由はつま先から口元までアルファベッドが詰まっているからとか、どういうタイプのボケなんだろうか。
次に、ミルクボーイ。タイトルをつけるなら、「おかんの愛用の薬」だろうか。
ボケの駒場さんが、おかんが愛用の薬を探しているのだが、その名前が思い出せないという。ツッコミの内海さんが、その特徴を聞き出して、どんな薬なのか当てようとするのが大筋。
駒場さんは、「患部に貼る薬」といい、内海さんが「湿布やないの!」と声を張り上げる。しかし、駒場さんがすぐに「俺もそう思ったけれど、おかんが言うには、その薬は世界中の人の命を救ってきた」と言って、内海さんも「湿布やないな。湿布は人の命は救えないからな」と言い直す、というのを何回も繰り返していく。
内海さんが湿布に対して失礼なことを言うので、湿布関係者が聞けば怒るんじゃないかと、笑いながら心配になってきた。
最初は駒場さんがボケで内海さんがツッコミかと思っていたけれど、なんだか内海さんの方が非常に失礼なので、ボケとツッコミなのかよく分かんなってくる。
こういう掻き乱してくる漫才は大好きだ。ラストに突然ミニコントが始まるのもたまらない。
さて、二周目。ツートライブからスタート。テーマは「銭湯」。
ボケの周平さん(と名前を区切ればいいのか分からないけれど、一先ずそう呼ぶことにした)は、ツッコミのたかのりさんに対して、銭湯の素晴らしさをプレゼンする。しかし、周平さんの表現方法が独特なので、いまいち伝わらない。
とにかく、周平さんのボキャブラリーが珍妙だ。怒涛で繰り出していくので、何を言い表しているのか分かる前に笑ってしまう。
単純に、風呂上がりに牛乳を飲むことを、「牛の乳を喉ぼとけに挨拶させる」と言ってしまったりする。あと、広いお風呂に入るか、自分の体がどれくらいお湯と接着しているのかを判断しているのかと言ったり。
たかのりさんはそれに対して、ちょっと引いたところから怪訝そうに突っ込んでいるのが印象的だった。
オチは、「漫才ブームツアーのポスター買ってね」だった。
続いて、金属バットの二周目。ツイッターによると、新作なのかもしれない、撮影の話。
つかみの方で、ツートライブに続いてポスターの話を始めるお二人。まったく売れないと嘆いていて、大阪のコピー機が壊れたから、急遽沖縄で印刷したとか、友保さんはサインを書くのが疲れて、途中で普通に「友保」と書いていたとか。
それから本題へ。小林さんが、一人で撮影することになったらしい。
友保さんが「テレビ?」と尋ねると、小林さんは「もっとすごい」といい、「映画?」と尋ねられると「さらにすごい」というその撮影は、新しく発行されるお札の肖像だという。
友保さんがすかさず、前発表された新メンバーに入っていなかったと言及するが、それもそのはず、小林さんは二千円札の肖像に選ばれたのだった。
影が薄いとはいえ、一応、守礼の門が描かれている二千円札を沖縄でネタにするとは……。もちろん、客席は大爆笑であった。
なぜ小林さんが肖像に選ばれたのかという理由を話した後に、どんなポーズをとろうかという話に。
友保さんが提案したのは、「〇迫です」のポーズ。小林さんが「写真だと最後の方しか写せないので、ゲッツになるのでは?」と指摘すると、お土産にある角度を変えると動いているように見えるカードのようにしてみたらと、友保さんが言う。
時事ネタにゲラゲラ笑っているところへ、日本はヤバい、選挙の投票率も低かったという話に。
小林さんが、選挙へ行こうと力説する中で、「ゆるキャラ選挙オチかな?」と予想していたのだが、友保さんに「どこに入れたの?」と聞かれると小林さんは「幸福実〇党」と答えた。
爆笑の渦の中、友保さんの「うぃー」で二人とも頭を下げて、はけていく。
テレビでは絶対にできない漫才が生で見れて、大満足だった。
そのままの勢いでデルマパンゲへ。
迫田さんは、芸人は芝居とかしなくてもいい、ネタ一本でやるべきだと話し出す。そうして、また「宮〇です」のポーズをして、この人のようにという。
でも、オファーがあったら受けるべきなのではないかという広木さんに対して、迫田さんは妙な例えでそのことを嘆く。
しかし、芝居をしなくてもいいと語る迫田さんの止め方が、まさしく臭い芝居そのものなので、まったく説得力がなくなってしまっていた。
最後は、ミルクボーイ。タイトルをつけるなら、「おかんの好きなお菓子」。
またしても、駒場さんが「おかんが好きなお菓子の名前を思い出せない」という話から始まる。内海さんが説明を聞いて、何のお菓子か当てようとするのだが、今度はもなかが正解なのか不正解なのかで混乱していく。
内海さんが、だんだんと失礼になっていくのは今回も同じ。子供は欲しがらないとか、こんなに話していても食べたくはならないとか。
ただ、途中からもなかの家系図になってきたところでさらに引き込まれた。もなかって、八つ橋と異母兄弟なんですって、知っていました?
最後は、駒場さんのおとんが登場して、全然違うお菓子の名前を出してオチへ。
そのまま、ライブも終了した。アフタートークあるかと思っていたのだが、そこは少し残念。
さて、満足しながら出てくると、目の前で漫才でも出てきたポスターが販売されていた。
どうしよう、買おうかなと悩んでいると、値段は五百円だといわれて、購入に踏み切った。友保さんの名前がそのままになっているレアパターンではなかったけれど、こういうサイングッズ買ったのは初めてなので、大切にします。
で、最後にちょっと思ったこと。
私は子供のころはコントが好きで、成長するにつれて漫才も好きになってきたのだが、それは時事ネタがわかるようになってきた点が大きいかもしれない。ニュースの話題は、子供には難しいから。
それから、ある程度芸人さんを見てきて、漫才の何たるかをわかってくるような気がしても、それはあっさりと越えられてしまうということ。
マイクを挟んで話をしているだけなのに、無限の笑わせ方がある。さらに漫才の魅力に取り込まれていきそうだと思った、今回のライブであった。
あ、あと、友保さんのツイッターで、沖縄の砂浜で海水パンツで今回のツアーのメンバーが移っている写真が載っていた。
小林さんの二千五百円の水中眼鏡や、迫田さんのブーメランパンツもここで確認できる。
また是非、会社のお金で沖縄にいらしてください!
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