霜降り明星 編
個人的に、「コンビ芸人は正反対だと人気者になる」説を提唱している。
現在、テレビに出ていて活躍している芸人さんを見ていると、ルックス・性格・得意不得意・芸風が正反対な人々が多い気がする。もちろん、これには個人のバイアスがかかっているのだが。
さて、この持論に乗ると、「わたしのかんがえたさいきょうのコンビまんざいし」が、霜降り明星だという事になる。
小柄でぽっちゃりで若干薄毛のせいやさん、長身でがりがりですごい毛量の粗品さん、ルックスだけでも真逆の二人だ。
趣味も全然違う。王道少年漫画や懐メロやマーベルが好きなせいやさん、深夜アニメや邦楽ロックやギャンブルが好きな粗品さん。
得意なことも。ギャグや物まねが得意なせいやさん、大喜利やフリップ芸が得意な粗品さん。
異なる分野でそれぞれが成果を上げている。すべらない話でMVSを取ったせいやさん、R-1ぐらんぷりで優勝した粗品さん。
弱点もバラバラだ。すぐに物を無くしてしまうせいやさん、カピバラが分からなかった粗品さん。
こんなに正反対なのに、すごく仲が良いという事は特筆する点だろう。
毎日更新されているしもふりチューブでもその仲の良さは発揮されている。男子高校生のわちゃわちゃ感が味わえて、何度もリピートしている。
もちろん、共通点もある。二人とも、すごくビビりで、アメトーーク!のビビり‐1グランプリにコンビで出れてしまえるほど。
せいやさんは驚きすぎて変な謎の言葉出るし、粗品さんは虫に驚きすぎて走って逃げていくし、お二人には悪いが、大いに笑わせてもらえた。
それから、どう言い表せば悩んだのだが、お笑いの時の脳みその使い方も、二人で異なっていると思う。
端的に言えば、せいやさんは反射神経がすごくて、粗品さんはじっくり考えるのがすごい。例えると、短距離走選手と長距離走選手のように、筋肉の使い方が違うみたいな。
せいやさんには、単語ダービーという宴会芸がある。
せいやさんが適当に思い付いたメロディに乗せて、次々と単語を言っていくので、それを聞いている人たちがどの単語が出てくるのかを当てていくというゲームである。私は見ていないが、ガキ使でも披露したらしい。
説明だと分かり辛いので、見れるのならばこちらから
→https://www.youtube.com/watch?v=9bScqjk4_g4
せいやさん曰く、脳の「異脳」という部分を使って歌っているので、本人もどんな単語が出るのか分からないとか。
そんな中でも、キラーフレーズのオンパレードである。「ふざけたせいろ」「お遍路前にプーアル茶」「邪念を持ったわらび餅」のような意味不明な単語の組み合わせから、「きだんぴかでりろーろろろー」のように謎の言葉が出てきたりする。
メロディーも耳に残り、私が何度も聞いているからだとは思うが、いくつかのフレーズは歌えてしまうようになった。
漫才の中でも、しょうもない人生や血液型選手権のように、アドリブで変えている部分も、せいやさんの個性が光っていて堪らない。
意味とかではなく、言葉に殴られている感覚がする。考えずにそれが出来るのは、本当に天才だと思う。
一方粗品さんは、先週放送された、霜降り明星・粗品が今一番やりたい企画TV(通称粗品TV)にて、企画・構成・劇中歌作曲まで担当した番組で大きな話題を呼んだ。
粗品TVの内容は、粗品さんがR-1優勝の特典として出演しているテレビ番組で、商店街をぶらりロケをしながら色んなものに突っ込んでいき、その頭文字で五十音表を埋めるというもの。
順調に女子アナの谷元さんと商店街ロケをしていくのだが、整骨院の先生から施術されることになり、ベッドで仰向けになった粗品さんの顔に布をかぶせられた直後に、ロケのスタート地点へ戻り、最初から同じ内容で粗品さんはロケを始めてしまう……番組中で四回目のループで、粗品さんはその事に気付き、ループから脱しようとする。
事前の番組CMや粗品さんのツイートではこの構造については説明されておらず、放送を生で見ていた人たちは放送事故かと思ってしまったらしい。
何度もループをするうちに、粗品さんはツッコミ方法を変えていき、五十音表を埋めることでループから脱することが出来た。
ホラーのような、謎解きのようなバラエティ番組に、霜降りのファン以外に業界関係者からも反響があったとか何とか。
確かに、あれを初めて観た時は度肝を抜かされた。正直私は録画を見て、ループするという事だけはツイッターで知っていたけれど、それでも「ええ!」「なるほど!」の連続だった。
細かい所にも色々伏線が貼られているので、何度も停止ボタンを押したり、tverの完全版を見てみたりと、非常に目を凝らして楽しませていただいた。
解説wikiも出来上がるくらいにネット上では侃々諤々の粗品TVだが、粗品さんのツイッター曰く、まだ解明されていない謎がいくつもあるらしい。
いやいやいや、ここまで来たら、天才とかすごいとかじゃなくて、粗品さんが超怖い。頭の中、どうなっているの?
あと、粗品TVを見た後の私の個人的な意見は、粗品さんの脚本や監督の映像作品を見てみたいなーというものだった。
狂気の域に達しているあのこだわりを、さらに長尺だったり、毎週だったり、スクリーンだったりで見てみたい。
瞬発力のせいやさんと熟考型の粗品さん、この二人はお互いに苦手なことをカバーし合える、最高のコンビなんだなと、ここ最近再認識している。
お互いに「僕にないものを持っている」と言い合えるコンビだからこそ、切磋琢磨して、テレビや劇場やYouTubeに新しい風を巻き起こしているのだろう。
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