45日目  鳥羽ー志摩


 今日の目的は志摩市。志摩と言うと三重県の一番右側ってイメージだけど、今日泊まる場所は志摩市でも南の真ん中あたりである。そろそろ地形的に歩きにくい道も増えてきそうだ。


 まずは昨日見てきた鳥羽水族館の前を通過して南へ進む。線路に沿うように伸びる国道を進み、安楽島大橋北の交差点を右に曲がる。このルートは、海沿いではなく、多少内陸部を進むコースだ。

 くねくねと曲がって伸びる加茂川を二度渡るようにして進む。山の中を通る道だから道幅が狭くて歩きにくいけど、たぶん海沿いの道も大して変わらない気がする。

 山に囲まれた土地に畑が広がる風景は、伊賀に戻ったような印象。けどあの時と違って、そこそこ家々が並んでいる。


 近畿志摩線の白木駅前を通過。今日のルートだと、何か語れそうな目玉がないかもしれない。

 やがてついに山道になってしまったなぁなんて思っていたら、志摩市に入った。

 五知の駅前を通過。進行方向左手の土手の上に駅っぽいものが見えて、シンプルな看板に「五知」とだけ書いてある。ちょっと寄ってみたら、予想通りの無人駅でトイレもなかった。


 沓掛駅を通過。似たような駅。歩道が少し復活したのがせめてもの救い。家々も少し多くなってきたかな。なんて思っていたら、急な上り坂になった。

 トイレの問題が気になったけど、さいわい少し先にふれあい公園とやらがあったのでそこで済ますことができた。それと休憩。けど食べ物屋さんはないなぁ。

 それでも徐々に建物が目立つようになってきた。

 それにしても三重に入ってから至る所に、電柱に「赤福」のと書かれたシンプルな広告をよく見る。ああ、そういえば伊勢で買えなかったなぁ。


 一本だった道も、家が増えるにつれ脇道も増えてきた。そのひとつの脇道を逸れて、志摩磯部駅に向かう。

 そこで思わず目を疑ってしまった。それまでの無人駅が嘘のように、ターミナルがしっかり整備された大きな駅だったのである。しかもタクシーが何台も止まっているし。え、ここって、有名だったの? 地元の方には申し訳ないけど、今までが寂しい駅続きだったので驚いてしまった。


 県道61号線に戻って再び南下。そこそこ大きな池田川を渡ると、橋から見る川下に久しぶりの海が見えた。もっとも海と言っても志摩らしく入り組んだ湾になっていて、海の向こうに島やら陸が見える。あの辺りにスペイン村がある位置だ。

 そのまま県道を進んでいると、ようやくロードサイドにラーメン屋があったのでそこで昼食。磯部店って書いてあるから、チェーン店なのかな。


 食事を終えて再出発。それにしても食事を終えた後に、次々と食事が出来そうな店が出てくる。町中に入れば店が多いのは当然だけれど、山の中にも一つくらいは店が欲しい。

 そんなことを思いつつも、県道から国道167号線に合流し、さらに南下して、横山駅を越える。こちらは磯部駅ほどではなかったけど、無人駅でもない普通に立派な駅だ。もう町中に入ってきたのが分かる。

 駅のそばに案内板があって、ミシェランの、食事じゃない観光部門?で、☆ひとつをもらった展望台のことが書かれていた。気になったけど、徒歩で移動してあと二キロ(しかも展望台なのでおそらく上り坂)は辛いのでスルーした。


 そして横山駅から意外と近く、鵜方駅に到着。市役所近くということもあって、道路もしっかり整備されそれなりに栄えている。

 今日はここの正面のホテルで宿泊だ。

 明日からは伊豆を歩いてたときのような海沿いの山道になりそうだし、今日はゆっくり休みましょう。

 というわけでお疲れさまでした。


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