路上で拾った予言書のおかげでSSS級美少女とお近づきになれたんだが。←は?
爆裂☆流星
プロローグ 拾ったのは予言書でした。
「溶ける……」
炎天下の下、俺こと
夏休みだってのに補習という引きこもり抹殺イベントによって学校に駆り出されていたのだ。さらに前日に愛用している自転車がパンクするという事件のせいでこうして歩いているというわけだ。
「あれ、ユズル?」
その声の持ち主は同じクラスで数少ないオタク友達の江口だった。
江口は一度家に帰ったようで涼しげな恰好をして自転車にまたがっていた。
「そういや自転パンクしたんだっけか」
「おかげで、さしずめバーナーで炙られるサーモンの気分だ」
「なんだよ、それ」
そんなくだらない掛け合いのあと「アニメイト行ってくる」と言い残すと江口はペダルを漕いで行った。
江口は爽やかイケメンでサッカー部だが、重度の妹キャラ好きという猛者だ。
彼女がいたこともあったらしいが長続きしなかったと本人から聞いた。
やはり3次元はメンドくさいのだ。恋をするのは画面にだけで十分、なんてくだらないことを考えていると俺の足元から4尺ばかり先にある電柱の影に違和感を覚えた。一部だけ色が濃くなっていたからだ。近づいてみるとそれが表紙の黒いノートだとわかった。
漆黒の表紙に白色で十字架が二つ記されているそのフォルムは、好奇心を中学二年生に置いて来たままの俺から興味を引き出すには十分すぎた。
少し古びたページをめくるとそこには奇妙なことが書かれていた。
-この書は雨崎柚弦によって拾われる-
まさか……!?。
江口よ……。こんなもの書くまでに病んでいたのか。相談の一つや二つしてくれてもいいのに……。
こんなことをするためにここにこのノートを置いて俺とすれ違ったのか?
高2病とは名ばかりだと思っていたが身近な人間に発症すると何ともいえない気分になる。
俺はノートを脇にはさんで初夏の中再び歩き出した。
結果的にこのノートが俺の未来を良くも悪くも大きく左右することになるのだが……。
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