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 人間は自分勝手に疑念を生み出すものだ。それが、一つ目であった場合何とか辻褄を合わせ、自分なりに納得を始める。二つ目のときは、一つ目の納得を思い出し踏ん張ることが出来るのだが。三つ目には首を突っ込んで感情を勝手に作り出す。それは疑いや怒りなのだ。なんの根拠も無いくせ、その上自分勝手に物事を作り上げ、想像を無限に膨らます。それを止めるには素直に事実を話す以外ほか無いだろう。そこで、真実や嘘と言う中身のない形容するだけの言葉を使えば、考えなくともわかるようにその関係は終末を迎えるだろう。私はそんなことを少し、唇の端を上げながら。考えるのである。

 実に愚かだ。目の前の幸せに気付くともなく、この私と唇を重ね、その上べろまで絡ませてきたのだ。どっからどうみてもあの人はウソツキだろう。彼女さんとの幸せな関係よりも、むしろ破局して私との関係を望んでいるみたいに。まるで、死にたがっているようだ。勘違いだってさせてくれる。期待させてくれる。

 ウフフフフ…興奮してきた。いや、むしろ冷酷に冷淡になっているのかもしれない。自分の感情すらわからない。いいや、わからなくていいのだ。所詮、人間は死を目の前にしたら皆、皆!その性格を変えやがるのだ。遺伝子なんかなんのあてにもなりゃしない。ウフフフ、はぁ…死について考え始めちゃうとつい、こう、童貞の男子なかには、いやずっとヤリまくりの、オナニーに溺れているやつにもたまらないかもしれない。いわゆる、「あわび」ってやつがとろけてしまいそうになるんだよね…

 まぁこんなこと誰かに話してもしょうがない。ましてやこんな下手くそな文章を誰が読みたいのかわかりゃしないさ。どうでもいい。私は、私の、生まれたときからもっている冷たい欲を満たしてあげたいだけなのだから。

 いけない、いけない、ヨダレが垂れてきちゃった。拭いたときに袖に残る湿った染みがなんともエロいことはない。あの人の、あのウソツキの涎かと思うと愛おしくて堪らなくなるのだ。早く、我がものとしたい。どす黒い自分が暴き立てる。

 ちょっと。そんなに急かさないでよ。

 私は、自分でも望んでいないでかい乳房の間をやさしく撫でてやった。

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