第11話 ドラゴンクエスト 7

面白さ


時間    8

世界    4

一般    7

玄人    9

サブカル  6



影響力


サブカル  2

社会    0

世界    0


 さて、今回はドラクエ史上もっとも不評だった7についての批評です。


 内容はと言えば世界に一つしかないグランエスタード島。

 その島の国の王子キーファと主人公はいつか冒険の旅出たいと遊んでばかりいる悪ガキです。

 ある日見つけた謎の神殿の秘密を解き明かすことで、不思議な石板を使って過去に行くこと出来るようになり、世界の秘密を解き明かしていく!




 とまあ、ストーリーの要約はかっこいいのですが、色々と訳の分からないところが多く、ストーリーもドラクエ屈指の胸糞展開ゆえに敬遠されがちの作品です。


 売上自体は良かったのですが、良くも悪くもいつものドラクエなので、他の作品と比べると影響力は皆無に近く、若干、影響を与えた程度にとどまっています。


 面白さも賛否両論で、ストーリーが飛び飛びになってるので、伏線投げっぱなしの印象が強い。



 ですが、最近、ラノベ作家の加納新太さんのブログを見たことで、僕は評価を改めました。


 要約するとこうです。


「ドラクエ7は暗い話を遊び人が笑い飛ばして解決する物語」


 これを言われて『なるほど』と思いました!


 言われてみればキーファは国を捨てるレベルの遊び人で、主人公もよく話を聞いてみると真面目に仕事の手伝いをしていません!

 マリベルは初っ端からボーイフレンドの家に遊びに行く不良お嬢様でガボは聖獣である白い犬の家系でありながらそんな責務を捨てて人間になって遊んでます。

 アイラはキーファの子孫ですがキーファの血を色濃く継いでおり、ユバール一族の使命を放り捨てたがっており、メルビンは神の英雄ではありますが、スケベなところのある爺い。


 そして肝心の神様もステテコダンスを駆使する面白い爺さん。


 そう考えてやり直してみると新たな発見が多かったりします。


 生真面目なジャンが演奏しても黄金に輝かなかった大地のトゥーラですが、遊び人のヨハンが弾く時は黄金に輝きます。


 神様に認められた者で無ければいけない七色の入り江に、何故か遊び人のホンダラは行けます。




 そして、評判が悪かったにも関わらず、7で無くなった『遊び人』の職業の代わりにできた『笑わせ士』。




 つまりは遊び人=主人公たち=神に選ばれしものだったのです!



 そして、ホンダラはクリスタルパレスで神様に会おうしますが門前払いされます。

 それはそこに居たのが偽物神様だったからですが、もしも本物の神様居ればどうなっていたのか?


 会って一緒に遊んでいたのではないのでしょうか?


 そして、みんなから非難されながらもモンスターをかわいがっていた村長はかわいがったモンスターに村を助けて貰っていたり、コスタールの王様は剽軽な性格ながらも大層な切れ者でいち早く偽の神様の危険性に気付いています。


 そして一方で真面目の人は損をしてます。


 ペペとリンダの恋はペペが真面目過ぎたがために、かえってリンダを不幸にしてしまいます。

 のちの展開でわかりますが、リンダはイワンという金持ちと結婚しますが・・・

 イワンは事業を潰してリンダに酒代を稼がせるというクズオになってしまい、それに疲れたリンダは子供を置いて修道院に逃げてしまいます。

 一方でイワンの事が好きな元メイドのカヤはイワンが元居たお屋敷の金持ちと結婚しますが、イワンが好きすぎて金持ちを毒殺して屋敷を取り戻そうとしてバレてしまい、イワンと共に町を離れます。

 一方、ペペは逆に結婚はしませんでしたが、独身のまま、大きな薬草園を作って事業が軌道に乗って幸せになっており、その薬草園の上がリンダが逃げ出した修道院で、結局リンダはペペに会わないまま死んでしまいます。


 もし、ペペがリンダと駆け落ちしていれば、二人とも幸せになっただけでなく、イワンもカヤという辣腕の嫁さんを手に入れて幸せになっていたでしょう。



 それを見たせいかキーファはユバールでライラに出会うと恋心に正直になって一緒に生きることを選びますが、生真面目なジャンは神様が復活しないのは自分のせいと早合点して、ちょっと待てば神様が復活して結婚できるのにそれに気づかずに一族を去ってしまいます。


 レブレサックの神父は真面目過ぎて放浪した先の村でも迷惑をかけてしまいますし、人を石に変える灰色の雨の危険を知らせ続けていたおじいさんは災いを呼ぶ老人呼ばわりされてしまいます。


 ニコラは魔法の絨毯を持っていますが、父親との約束を生真面目に守るがゆえに冒険者のいいカモになっていますし、マーディラスの王様は真面目さゆえに化け物になってしまいます。


 かように真面目に生きる者ほど不幸になるという世界観ゆえに敬遠されがちなんだと思います。


 一方で面白おかしく生きた方が得というのも人生というのも一面の真理です。


 「真面目に生きても暗い人生になるだけ。もっと楽に遊んでいきなさい。その方が人生楽しいよ」


 これがドラクエ7の本当のメッセージではないでしょうか?


 そう考えるとこのゲームも面白く感じられます。


 皆さんも一度『遊び人』になってこのゲームをやってみては?



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