12:没エンディング

(編:すいませんが、このエンディングは絶対にやめてください。ラノベでないなら、意図するところは判りますし、本文の雰囲気次第ではアリだと思いますがラノベとして読むと、徒労感を読者が感じると思います)

(メモ:再交渉。完全没なら、要素をばらして、本文に埋め込む。読む人が読めば――[解読不能])


(W:というわけで没エンディングである。このエンディングをくっつけると、そう――金髪の辺りの意図や、登場人物の名前などの意味がくっきりするのだが、私としては、編集氏の言い分が正しい気がする。あまりにも私小説風というか……。

 しかし、このエンディングを私個人は非常に支持する。618、いや災害を体験した人の中には、『絶対に』こういう心情の人間はいると思う)






 ふわふわとした終わりのない闇が、急に離れていく。


 俺は目を覚ました。

 いつもの照明が、いつもの天井で淡く光っている。

 ああ、また同じ夢を見ていたのか――


 俺は、ベッドから体を起こすと、スマホを点ける。

 夜中の三時――カーテンを少し開けて外を見ると、まだ暗い。

 あと一時間もすれば、薄明るくなってくるだろう。


 つまり、今は――夜と朝の境界線といったところか。


 俺はカーテンを全部開け、ベッドに腰掛け、窓の外を見つめた。


 闇。


 あと少しで照らされて消えていく闇。


 あの事件は、闇だった。


 だが、闇は、人にとっては必要なものだ。

 あの事件も、人には必要だった――俺には、そう思えて仕方がない。


 東京を彷徨ったあの日、俺は様々な物を見た。

 人々は騒ぎ、戦い、希望と絶望、善意と悪意が交錯し、生と死がもつれあった。


 戦争や災害を知らない俺みたいな人間には、あの経験は強烈過ぎた。


 祭り。


 命をかけた、大騒ぎ。


 俺はあの事件を思い返す度に、そういう言葉を連想する。


 『たった一人』で、『自分で自分を励ましながら』、『手段を選ばず』生き残ったあの日、俺は本当の意味で、この世に生を受けたのだ。


 だけど――母体回帰という言葉あるように――平凡な日常が戻って来れば来るほど、命をかけて行動したあの日の、あの祭りの体験が、とても愛おしく思い出されてしまうのだ。


 間もなく夜が明ける。


 だから


 次の夜が――次の闇が待ち遠しくなる。


 照らされることのない、黒くとろりとした闇。


 俺はその闇に飛び込みたくて、そして、闇の中を何処までも走りたくて――


 体を掻き毟る。



 完

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