【TIPS~押し入れの異界1】

押し入れの異界

光の5次元少女の誕生より

更に未来のスメール星。


その世界には、

この壮大な物語に決して無関係ではない

ある四人家族が暮らしていた。


四人家族とは、

父親、母親、ツンデレ委員会と呼ばれる10才の姉、いじめっこ達から

嘘つき泣き虫のウルフ と呼ばれる7才の弟

ナブラの四人である。



◇ボクは??ない◇


◇みんな??じて◇


「あ~、

パパは取り替えたから大丈夫って言ってたけど、

また僕の部屋のオシイレから

声がする!


こんなんじゃ気になって眠れないよ。

ねえ~、ママ~?」



「ナブラ?

夜遅くにどうしたの?」



「お姉ちゃん?

ママは?」


「母さんはお仕事で出張って言ってたじゃない」



「そうだったよね」



「ところでどうしたのナブラ?

こんな夜中に起きて来て」



「また、僕の部屋のオシイレから不思議な声がするんだ」



「え~?

だって、オシイレはこの前父さんが新しいのに

取り替えてくれたでしょ?」


「そうなんだけど、

やっぱりまた聞こえるんだ!


ねえ、お姉ちゃんも僕の部屋に来て

声を聞いてみてよ!」



「この前私ナブラの部屋に行って聞いてみたこど、何にも聞こえなかったし……」



「お願い!」



「まったく、わかったわよ。

それで、あんたの部屋に来たけど、

声なんてやっぱり聞こえないじゃない!」



「お姉ちゃん、し~!」

ナブラと姉はオシイレの音に神経を集中した。


……………………。

「ね? 確かに誰か男の子の声がするでしょ?」



◇……………………◇


「え?

全然聞こえないわ!」



「え? どうして?

僕にはこんなにはっきり聞こえるのに?」


「ナブラ?

あんたはまた精神病院に通って父さんや母さんに迷惑をかけたいわけ?」


「いや、だってね、

お姉ちゃん?」



「あなたが幻聴に悩まされるのは

精神的ストレスからだってお医者さんが

行っていたんでしょ。

お願いだから、これ以上

意地になって父さんや母さんを困らせないであげてよ!

わかった?」



「う、……うん」


「返事はそうじゃないでしょ?」


「うん、わかった」



ナブラは結局、姉には理解してもらえず、

一人自分の部屋に戻った。


「あ~!

何でパパもママもお姉ちゃんも

誰も僕のこと信じてくれないのー!?」

ナブラは独り言とは思えない大きな声でそう叫んだ。


◇そ?に、だれ???の?◇

ナブラの大声に反応して、

オシイレからナブラの耳に声が聞こえてきた。


「オシイレからまた声!

君は誰?

僕のことわかるの?」



◇?こえるよ。

キミは今???いるの?◇


「僕は、オシイレの前だよ!

今そっち行くね!」

そう言ってナブラはオシイレの戸を開けた。


「……は無い。

中には何も無いよ」



◇今??光??っちに?てるから、

?のする?きがわかるように

とにかくし?べり続けて!◇


「今しゃべり続けてって言った?」



◇う???◇


「今はなんて答えたの?」



◇う?????◇



「わかんないや。

とにかく、しゃべり続けるね。

え~とね、~」

ナブラはとりあえず、ひたすらしゃべり続けた。


「ボワ~ン!」

するとしばらくして、

オシイレの中に小さな子供一人やっと通り抜けられる程のトンネルが現れた。


「何なのこれ?」



「繋がった。

成功だね!

急で悪いんだけど、

ボクはキミにお願いしたいことがあるんだ。

聞いてもらってもいいかな?」


「声がはっきり聞こえるね。

僕今この穴通ってそっち行くね?」



「あ!

ちょっと待って!

来ちゃ駄目!

来なくてそこから頼みを聞いて欲しいんだ。

あ!」



「来ちゃた」



「手遅れか……」



「ごめん、来ちゃた。

でもどうして?

僕が来ちゃ都合が悪いとか?」



ナブラは、オシイレの中に出来た穴を通って、

自らをボクと呼ぶ不思議な声の先へと出た。

驚くべきことに、

そのボクはナブラと見た目がそっくりだった。


「ボクはラプラシアンって言うんだ。

キミの名前は?」


「僕はナブラ。

よろしくね!」

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