第3話 時空の波に乗る

文字や言葉は時に波になる

または水になる

壊れた蛇口のようにあふれてくる

頭や体を溺れさせる


字句の海を見ている。しかし内容が入ってこない。海にはたくさんのらくがきがある。船を漕いで、いつのまにか何度もシャープペンが往復してしまった。


字句の海を読んでいる。水をかけあって遊んでいたが、思い切って海に腰まで浸かった。水着は着て準備万端だったからどっぷりと潜り込んだ。あったかい。いつでも眠れる準備もしている。


字句の海を作っている。空と海の境目、水平線も必要だ。雲と波と、サーファーと砂浜では子どもが遊んでるといいな。日焼けを気にしてる女性も。バーベキューもいいな、紙とペンでメモしておかなきゃ。



海に沈むまでの時間はどれくらい?

夢に溺れるまでの時間はどれくらい?

波に乗る場所はどこにある?

雲に隠れる場所はどこにある?

そんなのさっぱりわからない


空に浮かんで時空をこえる

夢人になる


せまい空間だって

かぎられた時間だって

夢なら次々飛び越える

あんまり次々飛ぶもんだから

はっきり覚えておけないけれど



私は夢が好きなユメクイだ

いろんな夢を見ていたい

眠れない人のために絵本を作りたい

眠れない人のために小話を作りたい

それはそれは危険な冒険をしたり

それはそれは純粋な大恋愛をしたり

とても難しくて睡魔を誘ったり

とても不思議で夢魔を誘ったり


文字が波立ってきたら

そのまま全体重を預けて

どこかへ運ばれてみて

いつのまにか沈んでいくから

ゆっくりね

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