将来やってくるかもしれない介護される日のために。
かとも
将来やってくるかもしれない介護される日のために。
海外に移籍したプロサッカー選手たちがアンダーヘア脱毛をするのは常識、ヨーロッパのサッカーリーグでそれは今や一種のエチケットになっている、というような話題が広まったのが大きな要因で、プロに憧れる青少年たちが、こぞってアンダーヘアをツルツルにしだしたのです。
もし、スーパー銭湯などで、アンダーツルツルの青年を見かけたら、きっとその青年は、サッカー青年でしょう。
この、アンダーツルツルブームは、スポーツによって温度差があるようです。
ヨーロッパ発の爽やかイメージが先行するスポーツ、例えばバレーボール、テニスなどは、すでに追随しています。
相撲や柔道といった格闘技系にも、意外に早く広まりそうです。
一方、一向にボウボウのままなのは、野球でしょう。間違いありません。
合宿などで、アンダーツルツルがバレた後輩に、
「オマエは、根性が無い!下が生え揃うまで、坊主頭だ!」
なんていう、ハラスメントが起きないことを願うばかりです…
(『サッカー青年がアンダーツルツル』以降は、全く私の個人的偏見で、エビデンスに基づくものではありません。お許しください)
☆☆☆
60代女性のラジオの投稿で、『アンダーヘアを永久脱毛しました!』というのを、耳にしました。
なんでも、その女性は、介護関係の仕事をなさっておられて、将来自分が介護支援を受ける立場になって、排泄処理などの時に、より清潔に、処理しやすくありたい、という思いから永久脱毛を決意されたそうです。
奥ゆかしい、気配りにたけた日本女性ならではの思いです。
アンダーヘア―ツルツルブームは、いまや青少年から老人まで、『ニッポン一億総ツルツル社会』の到来です。
こういう、世の中の大きなトレンドの変化に乗り遅れるのは、決まって、50代以上のオッサンたち。
「ワシは、頭の方がツルツルやから、下はボウボウやねん!」
なんていう、周りに苦笑いされてスルーされる、そんな汚いオッサンには、絶対なりたくありません。
将来やってくるかもしれない介護される日のために、除毛クリームを探しに行こうと思います。
将来やってくるかもしれない介護される日のために。 かとも @katomomomo
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