第11浴 なんかまた急患騒ぎになってるんだけど……(汗)
みなさま、毎日お風呂楽しんでますかー?
「自分は絶対大丈夫!」と思っていても、いつ魔の手があなたを襲うかわからない……。
今回は、「湯あたり」についてです。
◇ ◇ ◇
湯あたり、ものすごく多いです(汗)。
特に冬に多い。寒くてつい長湯しちゃんでしょうね。
お風呂入ってた人がいきなり意識喪失して、その辺にバッタリ倒れるんですからね。周囲の人たちはビックリでしょう。私たち従業員も、どこでどんな仕事をしていても、このときばかりはトランシーバーで呼びだされ、タオルや経口補水液を持って全速で駆けつけます。
湯あたり客の容体はさまざまです。
声をかけるとすぐに跳ね起きて、「あれ、ちょっと寝ちゃった?」なんてのんき過ぎるリアクションをかます人。浴槽のふちで完全に頭を下にしてあおむけにひっくり返ってて、「殺人現場!? 死体!?」と周囲を驚かせた方も、こんな感じでした。
声をかけても意識もうろうとして、なかなか動けない人。全身血の気が引いてて真っ白だけど、水分とってしばらく横になれば、顔色をとりもどし、だいたい三十分以内に回復して普通に帰っていきます。(たいていはこのパターン)
倒れた拍子にどこかぶつけて怪我しちゃう人。入浴で血流よくなってるから、下手すると大量流血沙汰になることも……。救急箱持ってって、パックリ切れちゃった額や、なかなか血の止まらない手足の手当てをしたこと、何度もあります。
本当に意識が全然回復しなくて、救急車出動騒ぎにまでなっちゃう人。当施設に救急車が来たこと、いったい何度あるんだろう。意識不明患者を担架に乗せて運んだことや、お客さまの荷物をまとめて救急車に乗せるまで付き添ったことも、何度もあります。救急隊員が女湯に入らなきゃいけない事態になって、ロッカーの陰に隠れるよう周囲の女性客に呼びかけたことも、何度か。
担架で人運ぶって、本当に重くて怖い。特に頭側。
「今コレ落としたらこの人死ぬ!」って思いながら、毎回超必死に運んでます。
◇ ◇ ◇
湯あたりが起きたとき、よく問題になるのが
「救急車、呼ぶ? 呼ばない? さあ、どっち?」という問題。
施設側としては、本人に意識があって特に問題もなさそうな場合、本人が救急車呼んでほしければ呼ぶし、呼んでほしくなければ「十分お休みになってから、お気をつけてお帰りください~」とご案内します。
そしてたいていの場合、本人は呼ばないことを希望します。
――が、周囲がそれを許さないことが度々。
「早く救急車呼びなさいよ!」と大騒ぎする、周りのお客さまがた。
なぜか高確率で登場し、その場を仕切って従業員にあれこれ指示した挙句、「呼ばなきゃダメです!」と声高に主張する、「自称医療関係者」の方々。
医療関係者、つまり看護師だったり看護学生だったりする方々は、色々と手伝っていただいて、ありがたいといえばありがたいのですが……ケースによっては、言い方によっては、私たち従業員にとって逆に頭の痛い存在になってしまうことがあります。
たいてい、「救急車呼びたくない湯あたり客」VS「救急車呼ばないとダメな医療関係者」、みたいな構図になってしまって、従業員が板挟みになって双方からクレームぶつけられるという……。
◇ ◇ ◇
しかし一番の問題は、やっぱりどう考えても湯あたり客本人にあります。
「せっかくお金払ってるんだから」という貧乏根性が働くのでしょうか。限界まで長湯しまくった挙句に意識喪失しちゃうんですからね。
中には、完全にぶっ倒れて何人もの手を
明らかに入浴に問題がありそうな持病を抱えてるのに、普通に入りに来る方がいたり。
もー、頼むから、わかってるならちゃんと自己管理してくださいよう……。
<湯あたりしないためのポイント>
なるべくこまめに水分をとる。一か所に長湯しないで、適度に出たり入ったりを繰り返す。
のぼせたな、と感じたら早めに切り上げる。
温泉は成分が濃くて湯あたりしやすいので、一回の入浴は家のお風呂よりも短めに。
たっぷり入りたければ、とにかくこまめに休憩と水分をとってください。
※浴槽付近への飲み物持ち込みは禁止されてることが多いので、ご注意を。
みんな守ろうぜ、温泉マナー!
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