第7浴 ここは温泉です。介護施設じゃないのです……。

 みなさま、毎日お風呂楽しんでますかー?(挨拶)


 なんだかこのエッセイ、困ったお客さま愚痴り大会のようで申し訳ないです(もともとそういう主旨ではあるけれど)。何度も言ってるように、大半のお客さまはきちんとマナーを守られて以下略なのですよ。ごく一部の方々が以下略なのですよ。


 今回はなんというか、マナーうんぬん以前の問題じゃないの? と思うようなケースのご紹介です。ちょっと、明るくはなれない話題。気分暗くなっちゃったら申し訳ない……。



  ◇ ◇ ◇  



 今回のサブタイトルは、私がこのケースに遭遇するたびに心で言いまくっているセリフそのもの。


 施設の来館者基本原則として、「ご自分で入浴ができる方」というのがあります。つまり抱っこや介助が必要な方はお断りさせていただいてます。危ないし。何かあっても責任とれませんですし。


 実際には、付き添いの助けで何とか入浴できてるご年配の方々もけっこういらっしゃいます。最低限、同性の付き添いがあって、おむつ・紙パンツを使用していない方。そのラインだったらまあ、従業員も特に何も言いません(当施設の場合)。


 でも、たまにいるんです。付き添いなしの方。ひとりで来てるけど、自力でお風呂に入れない。ってか、下手すると服すら脱げない。従業員がいないとき、周囲の親切なお客さまがたの助けを借りてやっとこ入れるという。


 入浴の最初から最後まで従業員が付きっきりでお世話したケースもあります。(本来お断りすべき案件のはずなのに……なんで断れなかったんだろう)


 明らかに精神疾患を抱えてる様子の女性客が、お風呂には入らず、裸のまま一時間以上脱衣所を歩き回ってたケースもあります。家族はどうやら、施設にひとりだけ置いてって、またあとで(何時間もしてから)迎えに来るつもりだったらしい。


 また別の精神疾患のケースでは、旦那さまが男湯にいるというので従業員が捜しに行って事情を説明したら、「あとお願いします」(全部お世話してくださいの意)と、さらりと言われたそうです……。


 毎日欠かさず、朝から晩まで施設内でひとりで過ごす年配女性客もいました。お嫁さんに強制的に連れてこられてひとり置いてかれるという……。気さくでいい方だったんですが、そのうち周囲のお客さまがたをアゴで使うようになりました。従業員たちもかなり困ったり心配したりしてましたが、おむつを履いてくるようになったので、お嫁さんに説明して連れてくるのをやめてもらいました。そうとう長く通っていた方でした。



  ◇ ◇ ◇ 



 どれもこれも、ご家族がきちんと付き添っててくれればなんの問題にもならないのですが。ご家族がひとりだけ置いて帰っちゃったり、一緒に来てても放置して離れたところでのんびりしてたりするから、問題になる。そのたびに、他のお客さまがたや従業員が、お世話したり事情を聞いたりご家族を捜したりと、とんでもなく時間をとられることになる……。


 大変なの、わかります。ひとりの時間が欲しいのも、よーーくわかります。でもここは温泉です。介護施設じゃないのです。従業員には、本来の仕事が山ほどあるのです……。


 高齢化の現代、こういったケースは今後も増えていくんでしょうか。

 施設側ももうちょっとハッキリしたガイドラインを提示すべきだなー、と思います。


 みんな守ろうぜ、温泉マナー!

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