「星を砕く呪い」導入

黄金によって漸く殺された太陽の欠片。

それは灰となり、本来であれば他の漂う欠片と同じように本物の彼女の元に返るはずだった。

最早誰も入ることができなくなったはずの空間。

そこに一つの人間が現れた。

白い手がその灰に水晶の木の樹液を垂らす。


「旧世界の人間は神様が土から作った、なんて話があったよねえ」


目元を覆う仮面をつけたそれは、口元だけでにこりと笑う。


「なら、彼らに愛された灰からは何が生まれるのかな?」


樹液はゆっくり灰を飲み込み、混ざり合う。

それは長い時間をかけて一つの固まりとなり、三つの種へと変わった。

語り部は笑う。

紛い物とはいえ、折角作った化け物にあっさりと死を選ばれた腹いせというのもあった。


「だから精々私を楽しませてよね」


語り部の指がその三つの種をなでる。

今度こそ、その空間から人が消えた。

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