異世界なんて大嫌いだ!!
なめこ星人
第1話
目が覚めると、そこは知らない天井٠٠٠どころか、知らない町並みだだった。
確か、トラックの暴走事故に巻き込まれ、そのまま死んだはずだったんだが٠٠٠まさか死なずに生きていたとか?
いや、確かに死んだ感覚はあった。
何よりここは、間違いなく元居た世界ではない。
よくアニメや漫画とかでよく見る異世界の町並み。
それに、周りを歩いている人達の中にちらほら見かける、ネコミミの人や、トカゲの様な尻尾の生えた人など···
そう、ここは異世界だ!
『異世界転生キターーー!』
思わず叫んでしまった。
周りの視線が痛いぜ。
夢にまで見た異世界転生。
これはアレだな。「ニートで童貞な俺が異世界転生したらチートスキルでハーレム生活」って奴だな。
異世界〔召喚〕なら召喚先は神殿とかで、召喚主の術士が近くにいたりするんだけど、今回のは異世界〔転生〕で間違いないだろう。
よし、まずはスキルの確認をしないとな。
ここはお約束の···右腕を前に伸ばし、手のひらを広げて
『スキル!オープン!!』
····何も起きない····
うん、わかってた。
いきなり叫んだから、周りの視線が痛い····
あー、あれだ。
目を凝らして、よく見てみると、目の前にスキルウインドが浮かびあがるパターンのやつだ。
そっかそっか、そっちだったかー
じぃ~~~~~っ····
何も見えない···
いやいや、ちょっと待て、どうやってスキル確認するのこれ?
『ステイタスオープン! コマンドオープン!ひらけゴマ!!!』
はぁはぁ、、、
あぁ、あれか、特殊な魔道具を使わないと、ステイタスが見れないって奴か。
何だよー、最初っからそう言ってくれよー、まったくもー。
周りから白い目で見られちゃってるじゃないか。
さて問題は、いま置かれている状況を把握する事だが、コミュ障の俺が見知らぬ土地、しかも異世界で知らない人に話しかけるなどという高等テクニックを使えるだろうか?
しかも何だか嫌な予感がひしひしとしてくるんだが٠٠٠
これはアレか?いわゆる〔高校デビュー〕ならぬ〔異世界デビュー〕って奴か。
よし、俺が本気出せば、知らない人に声をかけるなんて余裕だぜー٠٠٠
٠٠٠٠٠よし、、、
「あのー٠٠٠ちょっといいですか?」
「$#?#&%$#>/+%」
え?ちょっ。何言ってるかわかんないんですけど。
気になってたんだよねー
ここにきてから周りの人達の会話が、全然知らない言葉だったから٠٠٠٠
え?ちょっとマズくない?この状況。
そうだ、もっと日本人っぽい人に話しかけたら、ワンチャンいけるかも。
٠٠٠٠居た!
「あのー、今ちょっとお時間よろしいでしょうか~」
「&$#%@¤©?%」
マジか!ヤバいヤバいヤバい!
『あのー!どなたか俺の言葉分かる人、いませんかー!』
・・・・・
『ハロー!アニョハセヨー!ニーハオ!えーっと、ボンジュール!グーテンモルゲン!ナマステ!スパシーバ!٠٠٠٠٠ヘルプミー!!』
٠٠٠٠返事がない。ただの屍のようだ。
異世界なんて大嫌いだぁぁぁぁ!!!
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