その怒りを背負って生きていく
隅田 天美
告白
私は自分が嫌いでいようと生きてきた。
何故なら、私を傷つけてきた連中は全員『自分に自信を持っていた』。
そのために、私を傷つけて自己肯定をしていた。
「人間には、三種類の人間がいる。
一つは最上級の人間。政治家や有名人になる素質のある素晴らしい人間だ。
二つ目は中間の人間。ここに大体の人間は当てはまる。
そして、最下層の三番目の人間は二番目の人間のために虐められてストレス解消の道具になれ。どんなに勉強してもお前の脳みそじゃ理解できまい」
これに親は感動し教師と一緒に私を殴った。
――自信を持った人間がここまで私を嫌うのだから、私には生まれなきゃよかった
それが辛かった。
そして、世間も、当時はバブル華やかな時代。
自分を追い詰めるのは正義だった。
バブルがはじけたの同時に世間は『心の時代』などと言い出し、あれほど拝金主義だったマスメディアは「心に余裕を」などとほざく。
この時、私はすでに自分に対して自信を失った。
そして、世間や他人のいう言葉が信じられなくなった。
私は決心する。
――世界を変える
――悲しみも喜びもない世界を作る
突拍子もない考えだが私は大まじめだった。
――私より劣っている人間などいない
だから、私より勉強や作業の遅い人や知的障碍者は私を冷やかしているのだと思い込んでしまう。
いつの間にか、私は怒りと恐怖以外の感情を捨てていた。
全ては怒りと恐怖の上に成り立っていた。
――完璧な社会を作るには私が間違った人間を修正し真人間にして世界を変えなければ
――私は憎まれ役になればいい
――恐怖から真に立ち上がる力を身に着け自分は殺されればいい
そんな妄信をしていた。
私にPTSD(心理的外傷)とうつ病がある事が分かる。
「それは逃げだ」
――私が逃げる? 何から?
「自分からだ」
――自分に価値はないのに?
「価値はある」
正直に書こう。
私は、自己肯定することを甘えだと思っていた。
いや、怖かった。
自分は依存しやすい人間だ。
人に迷惑をかけて嫌われて離れられることがとても怖かった。
何度も何度も経験したことだから。
そのたびに自分を責め、泣いた。
それを二度と味わいたくなかった。
「体に悪い」と糖分を一切取らずにいれば脳みそは活動できない。
同じように心も甘えが欲しかった。
最近、ようやく、それに気が付いた。
だが、心がそれを受け付けない。
私自身、心の奥底にいる自分に師匠や医師からもらった言葉を何度も投げかけた。
だが、受け取れない自分がいる。
この自分が同じ自分ながら情けなく、『やっぱり、自分には価値はない』と思ってしまう。
『他人も自分も批判するな』
と言われたがどうすればいいのだろう?
以上が私の思い浮かんだことである。
もしかしたら、私の言葉が傷つけたのかもしれない。
そうしたら、すいませんでした。
その怒りを背負って生きていく 隅田 天美 @sumida-amami
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます