作品つぶやき・どうしても「心」と言わないキャラたち&言葉の使い分け

 心って、小説でわりと使う言葉ではないかと思います。情景描写、理描写って言いますし。

 しかし、本作品ではあることに挑戦しています。それは、登場人物たちが「心」という言葉を使わないこと。

 心を使わない? どういうことかと思うでしょう。


 例えば、「心から感謝する」と言うべきところを、この物語の登場人物は「魂から感謝する」と言います。


 つまり、この国の人たちは魂を信じているので、「心」と言うべきところで「魂」というのです。これ、何気に辛い挑戦でした……。

 ちなみに今回、さすがに「中心」という単語は見逃しています。

 おそらく、心というものが他の国では信じられているということを知っているとは思うのです、彼らは。

 自分たちは魂に人の意志や感情が宿ると思っているけれど、他の国では心と呼ぶものを信じているのだと。


 それで、この「心」ではなく「魂」を使う問題。

 まず、キャラに「心配だ」と言わせられません。そのため、心配の類義語を探すはめになりました……。このあたり、詩集での経験が活きた気がします。詩集の方で何度も言葉で遊んでますからね。詩集をやっててよかったとはじめて思いました。

 ただ、気を抜くと「心配」は使ってしまいがちで、何度も後から直しました。もしかしたらまだあるかもしれないです……。


 地の文はさすがに、キャラの話す言葉ほど厳格にはせず、多少は使用しています。「○○は心配そうな顔をしている」みたいな感じで。これくらいは見逃して下さいな……!

 ただ、できるだけは避けています。例えば、「○○は心の中で思った」とするようなところを「心の中」→「胸の内」としたり。

 そういう、本筋に一切関係ないところで頑張っていた作品になります。じたばたしていました。




 言葉に関連してついでにもう一つ。話をしておきましょう。

 今回の物語、ミササギはモルスという上の立場の人間ですが、クストスという王を補佐する重臣よりは下の地位。ということで、彼と話すときは敬語です。更に国王と話すときもあります。

 また、公の場である会議では敬語まではいかないけれど改まった話し方をします。


 この言葉の使い分けもわりと頭を使いました。ま、きっと敬語間違えていると思いますが(笑)。


 今回、色んな話し方をキャラが使い分けますし、モブキャラまでいれると、キャラごとに色んな口調を書いたのではと思います。

 これもこれで書いていて、わりと大変でしたね。


 そんな話をしたところで、今回は締めとしましょう。

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