第2話
引き籠もり生活丸2年となりましたぁ。意外と早く月日が流れました。
家で仕事を出来るようになって、引き籠もることができる幸せ。
で、もう一回自己紹介。
弟と2人暮らし中の俺は辰見夕昏デス。そして、弟の名前を辰見新 デス。
俺は、家事全般をして、新が買い物etc.をしてくれるのですぅ。引き籠もり最高!!
パソコンの前に、胡坐をかいていると、ドアをノックされた。
「ゆーさん。南部さんが来ているけど」
噂をすれば何とやら、新が呼びにきたのです。
家は一軒家です。2階を僕が、1階を新が使っています。ドアに
「ふぁーい」
適当に聞こえるかわからない返答して仕事で使うパソコンから解放され、部屋のドアに手をかける。そして、1階に行くのです。
「どーも。南部さん」
南部さんは南部海斗といい、俺の仕事関係の人です。
「お邪魔しています。で、どうですか?」
あぁ、息が苦しい…。
「まだに決まっているじゃないですかー。出来ていませんって!」
手首を返しながら答えると、間髪入れずに
「じゃ、早めにお願いしますよ。…新井先生」
単語の変な間って脅しですかぁぁぁぁー。あぁ、怖い。
新井とは、新井夕太です。家で出来る仕事で使う名前です。
……俺、意外と作家なのですよ。
「今から書きますからー。書きますからゆるしてくだしいぃぃぃ」
と言いつつ2階に行く。そして、部屋のドアを開閉する。
また、椅子で胡坐をかく。
2時間ぐらい経った時に、出来上がった。出来上がりましたとも。
「よしゃぁぁ!終わった」
と小声で叫んだ。そして、大きく息を吸うのです。
「南部さん。終わりましたぁ」
大声で言いました。
「やっとですか…」
と遠くから南部さんの声が聞こえる。
んーん♪やっとですよ!あっ―、終わった。続きは、1年位先ですかね?
で俺の部屋に来た南部サンは喜んだ顔をしています。
「次の話、考えておいてください」
と言って帰って行った。仕事だけしに来たのか?真面目か。
まぁ、いいけど。
仕事が終わると羽根を伸ばすことが出来るのですっ!まあ、何と嬉しい事だぁー!
「ゆーさん。そうじは?」
「ん~。まだですね」
新の質問が心に刺さるよ。そして、返答がない。
「…まだです。すぐにやります」
掃除機を取りに行こう。なんか胸が痛い。俺はいつなったら、羽根を伸ばすことが出来るの?
「あっ。ゆーさんにお話しがあります」
思い出したように新がかしこまる。
今は6月。多分アレだ。三者懇談だよ。嫌だね。
「顔で言わず、口を使ってください」
「いやですっ」
と即答してしまった。でも、絶対的に行くことになるだろう。あぁ、こんな時に親がいないことが面倒。
「どうしても嫌なんだ…」
あぁ、弟君。発言と表情がマッチしていない。
どうなんですかね。その笑顔は、僕は心が痛い。
でも、引き籠もりになった理由を知っているしょう。
一つ、人混み大嫌い。二つ、人の眼が無理なのです。
流石だよ。新君って僕の扱いを知っているね。僕の目をまじまじと見てる。
「いいでしょう。行きましょう」
「本当?」
新が驚く。そんなに意外だったのか?
「本当ですよ。だって、行かないと引き籠もり生活が…」
継続できない。多分「…PC取り上げるけどいい?」とか言ってくるし、あー言えばこう言うですね…。本当に、
「鬼。悪魔。魔王。死神」
言ったらどうなることでもないが言ってみた。
「パソコン壊していい?」
超笑顔で言われても…。新をこんな風に育てた記憶がない。
「顔で言わない」
えっと、どうして分かるのかな?
「うぁ、極悪人。人の顔を読むなよ」
と反撃してみる。
「読めるから、読んでいるのです。それに、ゆーさんは口で言わないでしょ」
いとも簡単に心がえぐられたのです。THE ENDだよ。
「何を言っている訳。僕はちゃんと口で言っている」
「それより三者懇談はどうするつもり?」
頑張って話を逸らしていたのにぃ―。俺の努力が無意味だったの?
「えdぐ。えっど、えっと、弟がいじめていますよー。助けてー、誰か」
「110番でもしますか?ゆーさん」
確信犯が此処にいるよ!
「確信犯とは、確信を持って犯罪を行うことを示すものですよ、ゆーさん」
Why―。……俺は、弟にとって弄りキャラなんだろうか。
「さて、アニメの全消しでもしようかな」
「奥の手を使いやがって、悪魔の子サタン…。わかった、ぼくは三者懇談に行くぞ!」
捨て台詞を言ってみた。まぁ、いいでしょうネタがでたし。
時間は過ぎるー。新さんの三者懇談の日。もう時間が過ぎるのが早いよ。
それに南部さんが同行しているのですが何かあったの?いや、打ち合わせ時間を間違って、設定してしまった、ポンコツです。もしかして、四者懇談ですか?やめて俺が死ぬ。本当になんで南部さんがいるの?監視役?
冗談はさておき、三者懇談が始まりました。南部さんは廊下で待っていますよ。それは安心。
「新君は、勉強できる弟さんです。ただ、クラスメイトとあまり打ち解けてないと感があって、…………………………………………………、お兄さんは彼女さんいますか?」
先生どうしたの?急に?新の話からの僕の話?どうしたの?
「先生、この人は人生を狂わせますよ」
呆気を取られていると、を新くんが答えました。
「新君、先生はお兄さんと話しての。出来れば、黙ってくれる?」
否、先生よ、新君の言っていることは正しい。自分って、なんか知らないけど、性別関係なく、女にも男にも告白されるんだよね。何でだろうね。自分自身とても不思議だよ。
「先生。本当にやめた方がいいですよ。本当に」
「新の言った通りです」
あー、こんな時に頼れる新が居てくれて、良かった。それから、話は戻り、三者懇談が続いた。
「それでは、失礼します」
と言って、三者面談が終わりました。教室から出たら、急に走りたくなった。
「ゆーさん。走らないで下さいよ」
ストップされた。…走りたくなる廊下なんだよ、我が母校。
「終わりましたか。では、新井さん帰って打ち合わせさせてください」
南部さんってマイペースだよね。たまに、そのマイペースが怖いです。
「…分かりました。おとなしく帰ります」
「しかし、三者懇談って親がやるのではないですか?」
出た、南部さんの素朴の疑問。その疑問はこの答えだよ。
「海外にいるから」
ぽっそと、答えると、
「しかも連絡が取れないので」
新も答えた通りだし。それに親は放任主義ということも絡まってくる。
「何か、ややこしいことになっていますね」
南部さんは何か遠い目をしている。うん。理解している目だ。
「そう言えば、新。部活はいいの?」
僕は新に聞くと新も遠い目をした。何、遠い目って流行っているの? 俺は疑問に思う。
「ないと思う」
重々しく口を開いた新さん。
「新君って、何部ですか?」
「文芸&美術部です」
新は噛みそうな部の名前を言った。
「新は運動部のパシリもしているけどね」
もう疲れた。今日はこの辺で終わり。
この世界と自分 湖山由哉 @koyama
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。この世界と自分の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます