入日良ければ明日は天気
どんよりとした雲からは
光が差し込み
青空もチラチラみえる。
母と娘はいつもの様に
買い物を終わらせ自宅へ向かっていた。
水溜まりを飛び越え、はしゃぐ娘
それを見て楽しそうに笑う母。
「ねぇおかあさん」
そう娘が突然話しかけた。
「なぁに?」
母は優しく言った。
「雨や雲は何処におうちがあるのかな?」
小学生も終わりかけてるというのに
母は呆れつつも答えた。
「雨や雲は生きてないのよ。現象なの」
「だから家はないのよ」
娘はその答えに不服そうに
頬を膨らませた。
「現象にはおうちはないんだ、、」
そう分かりやすく落ち込んだ。
娘は水溜まりを飛び越えることは無く
そのまま靴を濡らした。
どうやら雨や雲に家族が居ないことが可哀想だと思っているみたいだ。
母はそこでこんな話を娘にした。
「でもね。こんな考えはどうかしら。
この大きな地球がおうちだったらどう?
カエルも学校の先生も大きな桜の木だって、
遠くに見える虹だって、もちろん私達も、
みんな家族って考え方はどう?」
娘は少し考え嬉しそうに母を見上げた。
「おかあさん!
私、その考え方好き!
みんな家族だったらみんなに優しくできるね。」
母は嬉しそうに
「じゃあ帰ったらパパに教えてあげよっか。」
夕陽は彼女ら、いや地球を照らしていた。
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