夜の夢こそまこと

江戸崎えご

2019.6.15

 夢を見ていた。

 私は海釣りに来ていた。海と言っても広い海ではない。釣り堀の様な狭い所だが、確かにそれは「海」であった。

 連れが居た。現実で見た覚えはないが、大層私と仲が良いらしい。ソバージュの大きな黒縁眼鏡を掛けた、自称芸能人の女だった。

 私と連れは釣り針に餌を付けて(餌が謎なのだが、何かを固めた板の様なものだった)、海釣りを始めた。

 最初はよく分からないものが引っ掛かったが、かさご、だったか。小さな醜い魚が数匹釣れた。

 それを天麩羅にして、食すと一人で他の海沿いを歩いた。

 そこにとても狭い間隔で並んだ人々が居た。

 海の家のオーナー曰く「うち専用の竿を差し上げている。伸縮自在で風の影響も受けないし自分専用にカスタマイズ出来る。但し、公式戦では使えないんだ」と言っていた。

 そこに並んでいる男(何故か老若は混じって居たが、男だけだった)は、確かにその竿を使っているらしく、人一人分位の間隔を空けて竿を振っていた。

 その男達が釣れたのかどうかは分からない。何しろ、私はそこで目が覚めた。

 起きてから、私は東京住みなのであの海は東京湾でもないし、何処の海なのだろう、と疑問に思った。

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