ドラゴンガール!?〜現代社会に龍娘!?〜
こたつ
第1章:日医会編
1鱗目:お目覚め!龍娘!
昔からこの世界には、様々な化学では証明できないものがある。
不思議な生き物や魔法、神話や伝承などに出てくる神。
そんなファンタジーなモノはこの科学の発展した時代において完全に否定されていた。
はずなんだけどなぁー…………
なんか目を覚ましたら身動きとれないんですけど!!
あれか?拘束されてるのか?こんなメルヘンもファンタジーもない今の時代にSF的な展開か?
とりあえず1つ現状を整理しよう。
僕は別に他の人と違って特別な力なんかない、頭も運動神経も並かそれ以下のただの一般的な男子高校生である。
普通と違う事を挙げろと言われれば、両親が小学校の頃に蒸発したせいで色々苦労しているというくらいだ。
そして今起きたら身動きが取れなかったってどうことじゃい!
突然の展開に数分どころか、多分数時間は固まったよ!?
というか誰でも目が覚めてこんな状況になってたら固まるか喚き散らしてると思う。
落ち着いてるのを褒めてくれてもいいのよ?
結局こんな状態で現状整理なんて出来ず、身動きを取る事もできないので頭の中をぐるぐるさせながらそのままじっとしていると、ドアが開くような音が聞こえて来る。
そして僕が音が聞こえた方を目だけで見る。
するとそこには3人の宇宙服みたいな服を着た人がおり、入口から僕に近づいて来ていた。
そして──────
「我々は君に危害を加える気は無い、我々は君に今の現状を伝えに来ただけだ。だから安心してほしい」
宇宙服の人は至ってフレンドリーに、そして明るい口調で僕に語りかけてきた。
なんかすっごいフレンドリーだったぁ…………
というかあれって宇宙服じゃなくて防護服的な物なのかな?
そんな風に僕が宇宙服の人をマジマジと見ながら思っていると、先頭の宇宙服の人……がまた話し始めた。
「いきなりこんな状態になってて混乱してるだろうが、さっきも言った通り今から軽く君の現状を説明させてもらう。とりあえず意識がハッキリしてるなら2度瞬きしてくれないか?」
そうなのか……まぁ、うん。
とりあえず説明は是非ともして頂きたいところだし……
僕は言われた通りぱちぱちと2回瞬きをし、意識がハッキリしてる事を伝えてみる。
「よし意識ははっきりしてるみたいだね、それじゃあ君の現状を説明させてもらうよ」
ごくり。
「君は今、我々日本医療医科学協会が身柄を保護させて貰っている。今拘束している理由もこの後で説明するが……とりあえず君を拉致監禁しているわけではなく、危害も加えるつもりではないとご理解願いたい」
あー……うん、やっぱり僕拘束されているのね…………どーりで身動き取れないわけだ。
「それでだ、こうなった理由だが…………まず君は小さい子を庇ったのは覚えているかな?」
先頭の人にそう言われ、僕は目が覚める前の事を思い起こす。
頭に浮かんだのは入学式の帰り道夕飯の買い物を済ませ家に帰る途中の出来事だった。
記憶が正しければ商店街の撤去予定の看板が風に吹かれ、安田さん家のゆう坊に落ちてきたのを僕が庇った。
確かにそんな記憶を思い起こせた僕はコクッと頷く。
「記憶はあるっ……と。とりあえず君が庇った事でその子は怪我もなく無傷ですんだが、君は落下した看板が頭に当たって入院する事になった」
あー、だからあの後の記憶が無いのか…………でも命は無事だっただけ儲けもんかな?
ゆう坊も無事らしいし。それで、それの何が僕を拘束する事に繋がるんだろうか。
「君は入院した時から意識不明だったそうだが……入院から2日後、変化が起きた。簡単に言うと今君が拘束されている原因だ、混乱するかもしれないがどうか落ち着いて聞いてほしい」
変化?何があったんだろう……少し怖いけど自分の体に起きた事だしちょっとどころかだいぶ気になる。
なので教えてほしい、落ち着いて聞くから早く早く。
そう急かす僕の心情を表すかのように、お尻や背中辺りに何かがもぞもぞと動くそんな感覚を僕は覚える。
しかし僕はそんなのを気にする余裕などなく、先頭の人が覚悟を決めたような雰囲気で話し始めるのを待っていた。
そしてAは喋り出す。
「まず性別が変わった。君の体は完全に遺伝子配列からも全て女性の体になってしまった。そしてさらに──」
ほう、女の人の体に……なるほどなるほ─────
え?
女性の体に変化した?
いやまさかまさか、そんな馬鹿な。
数年前くらいに大流行りしてた漫画や小説じゃあるまいし、はっはっは…………はい……?
いや…………待った。ちょっと待った、この人さらにとか言ってなかった?
「君の身体から竜のような翼と尻尾、角や鱗なんかが生えた。前者だけでも大概なんだが……後者のことも含め余りにも非常識だ。その為念には念をという事で保護した際に一応拘束させて貰ったんだ」
なるほどそれが原因で今拘束されてたのかー。
納得納得…………そりゃあ翼と尻尾が生えればねぇ。
そう、翼とか尻尾みたいな普通の人には絶対にないものがね。うん。
いやいやいやいや………………………………
いやいやいやいやいやいや!
うん、これは夢だ。夢に違いない、だから大丈夫。
普通に考えてそんな事あるわけない!
余りにも現実味の無いその説明に、僕はそう思わずには居られなかったのであった。
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