物知りコ〇タナさん(肝心なこと以外は)
うぐぐ、一度ならず、二度までも失敗するとは。
前向きに考えてみれば「人間らしい」プログラムとして作られているとも受け取れるので、これはむしろ最先端だからこそ失敗
ならば決して、決して、小説一つも書けないなんてことはないはずだ。
よく考えてみたら、私はコ〇タナの実力を全然理解していない。機能を試した時なんて、「音声認識」で小説執筆する為にアプリの場所を聞いた時しかない。
つまりほとんど初対面、他部署の上司に関する情報量と同じくらいだ。いくら「なんでも言うことを聞いてくれる」とはいえ、もしかしたら聞き方を間違えているのかもしれないし、「なんでも」の範囲だって明確ではないのだ。
すなわち私は、コ〇タナについてもっと知る必要がある。
「OK、コ〇タナ」
――OKと言ってくれるのは嬉しいのですが、私の名前はコ〇タナです……
うん?何のことを言っているのだろう。バグか何かだろうか。
「富士山の高さは」
――富士山の標高は3776mです。東京スカイツリーが634mなので、およそ6倍の高さですね。
お見事。
富士山だけでなく、スカイツリーの高さまで当ててきた。
ならば次の問題。
「犬の鳴き声は」
――ワンワンワン。
一応、大人なお姉さん(?)と思しき声が「ワンワンワン」と言うのは、少し恥ずかしいな。
まあでも正解に変わりない。次はどうしたものか。
「天気」
すると、声の代わりに住所付近の天気のパネルが表示された。
声を聞かせるより、画像を見せた方が早いと判断したのだろう。
「私の名前は」
――まことですよね?
ふむ。公的なものだけでなく、個人的な情報まで知っているのならば、話は早い。
「良い小説とは」
しばらくの沈黙の後にコ〇タナが下した答え、それはBingの検索画面だった。
しかも、検索ワードは「良い小説とは」とある。全面的に手直ししたにも関わらず一言一句まったく変わらない、まごうことなき丸投げである。
私の体はわなわなと震えた。怒り、憎しみ――いや、これは悲しみ……いや、やっぱり怒りだし憎しみだよ、間違いない!!
コ〇タナ……。
「君はもうクビだ」
しばらくの沈黙の後にコ〇タナが下した答え、それはBingの検索画面だった。
しかも、検索ワードは「君はもう
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