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「キャロルやばい居場所がバレ…ってリアム!!」


 あちゃーとレオンが頭を抱えている。


 レオンも知らなかったらしい。


「どういう事なんですか?」


 キャロルが問うとリアムが答えた。


「キャロル嬢は確かにワインスト侯爵家の爵位は捨てたが魔術師の功績として授かった爵位はそのまま残っている。

 今回王命で見合いが開かれる為申し訳ないが騎士団が総力を上げて捜索させて貰ったってわけだ。」


 キャロルはげんなりと顔を曇らせる。


 見合いの為に騎士団の総力を使うって色々間違ってないだろうか。


 この国は本当に大丈夫なのか。


「というわけでキャロル・アルバスタ辺境伯。

 王宮に行くぞ。」


「いやいやいや。

 辺境伯って言ったって普通領地とかあるじゃないですか。

 私何も聞いてませんよ。」


「そこはキャロル嬢のクリス兄上殿が管理してくれてるみたいだぞ。」


「…さすが小兄様。

 出来る人。」


 キャロルはがっくりと肩を落とす。


 逃げ道を身内に塞がれてしまった。


 1番の味方がまさかの裏切り行為とは侮り難い。


 いやクリスはただ好意でしてくれていただけに余計に腹立たしい。


 怒りのぶつけようがないではないか。


「てか見合いなんていつ決まったんだよ。

 俺聞いてねえし休暇までとってるぞ?」


「レオンを追わなきゃキャロル嬢を見付けられんだろう。

 だからこそ見合いは極秘にしてお前に休暇をやって騎士団総掛かりで着けさせて貰ったんだ。」


「うわっ汚ねえ!」


「やっぱりレオンのせいじゃないですか。」


「違ぇよ!

 こんな事考えるのは殿下しかいねえ。

 殿下のせいだ。」


「まっ王命だ。

 諦めてキャロル嬢は着いてこい。

 レオンはその荷物片してやったらすぐ戻れ。

 いいな?」


 レオンが眉を下げながらキャロルにごめんと呟きリヤカーを押して行く。


 キャロルも溜息を着きながらリアムに抱えられ馬に乗せられる。


「…この国ほんと大丈夫なんですか?」


「大丈夫な様に我々がいるんだ。」


「トップがダメだと下もダメになる物ですけどね。」


「キャロル嬢は勘違いしている。

 殿下は政を取り仕切る者としては本当に素晴らしい人物だぞ。

 ただ1つ欠点があるが。」


「1つですかね?

 私複数言えますが。」


「政に関しての欠点だ。

 その他は含めてない。」


「はあなるほど。

 その欠点とは?」


 リアムはキャロルを見てはあ…と深く溜息をついて答えた。



「執着心だ。

 あれはもう蛇の比じゃない。」



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