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「彩花様は降臨して1年なんですから仕方ありませんよ。

 Cクラス入りでも優秀な方だと思いますよ。」


「へへー!

 ありがとキャロルさん!

 あれ?

 この人お友達?」


 ポカンと口を開けているレオンに気が付き彩花嬢が首を傾げた。


「えっと彼は次期宰相のレオン・ベイリー。

 ルシウス殿下の側近ですね。」


「あぁ、レオン・ベイリーだ。

 えっと聖女様だよな?」


「えっルシウス君の側近さんなんですか!

 あたし西野彩花です!

 よろしくお願いします!」


「おっおぉよろしく?」


 レオンは彩花嬢と握手をしながらルシウス君?と呟いている。


 脳内がパニックになっているのだろう。


 キャロルも最初そうなったのだから無理もない。


「で?!

 ルシウス君ってどこにいるの!?

 超絶イケメンなんでしょ?!」


「殿下はもうすぐ来るとは思いますが…。

 去年の年越しの夜会で顔は見たんじゃないんですか?」


「見ようとしたらハリー君めちゃくちゃ怒るんだもん。

 ルシウス君も全くこっち見てくれなかったし。

 あたし背中しか見れてないんだよ!」


 彩花嬢が思い出したのか地団駄を踏む。


 そんなに悔しかったのか。


「まあまあ。

 もうすぐ来るでしょうし見れますよ。」


「すっごい楽しみだなー!

 キャロルさんから見てどうなの?

 やっぱりイケメン?」


「好みにもよると思いますが見た目は綺麗な顔してると思いますよ。

 笑うと怖いですが。」


 キャロルの言葉にレオンが吹き出し頷く。


 レオンもルシウスの笑顔は怖いらしい。


「えっ笑うと怖いってどういう事?

 そんなに笑顔がやばいの?」


「ヤバいですね。

 全身鳥肌か寒気に襲われるレベルです。」


「何それ怖い。」


 キャロルの説明に彩花嬢が軽く引いている。


 廊下の方が何だか騒がしい。


「あっ聖女様。

 多分殿下の登場だぞ。」


 レオンが机に頬杖を付きながら笑って廊下を指差す。


 この騒ぎはルシウスのせいらしい。


「嘘っ!

 どうしよう!

 超緊張する!

 顔見れる気がしない!」


「顔を見に来たんですよね?」


 きゃあきゃあと顔を手で覆って騒いでいる彩花嬢にキャロルは冷静に突っ込んだ。


 何をしにきたのだこいつは。


「あっいたいた二人共。

 席は自由なのかい?」


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