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「ふむなるほど。
これに必要な魔石を取りに西の森に行くのか?」
リアムも顎に手を当て興味深そうに羊皮紙を覗いている。
「まあそういう事です。
ついでにこの魔道具が完成したら行ってみたい遺跡があるので先に冒険者登録もしておこうかと。
西の森で魔石採取ついでにランク上げして遺跡に入れるランクにしておきたくて。」
どうせ奴らは西の森にも着いて来るだろう。
魔石を取ってはい帰りましょうでは困るので先に目的を伝えておくしかない。
「行きたい遺跡ってどこなんだい?」
「静流の遺跡です。」
「静流の遺跡?」
「あっ知ってる!
龍が住んでるなんて伝説がある遺跡か!」
レオンが興奮気味に食い付いてくる。
確かにこの年頃の少年にとって龍は心を擽りまくる生き物であろう。
「そう言えばそんな伝説あったな。
この前龍の住処に続く通路があると示す壁画が見つかったらしいがその通路が何処にあるのかさっぱり分からないとか…。」
リアムが続けるとレオンが目を輝かせる。
「そうか!
ワインスト嬢の開発中の魔道具さえ完成すればその通路が見つかるってわけか!
本物の龍に会えるって事か!」
でかしたワインスト嬢!とレオンが喜んでいるが、もしかしてこいつは自分も遺跡に行くつもりなんだろうか。
連れて行くなんて一言も言ってないのだが。
「なるほどね。
その静流の遺跡にはランクをどれ位上げたら入れるんだい?」
ルシウスにニコニコしながら聞かれキャロルは鞄から『君も今日から冒険者!~冒険者必読まにゅある~』を取り出し付箋を貼ったページを開いた。
「えっとまず冒険者ランクは最初がストーンランクからスタートで、次がアイアン、ブロンズ、シルバー、ゴールド、最後がダイアモンドらしいです。
厳密に言えばさらにその上にレッドダイアモンドなんてランクがあるらしいですが、最後にそのランクを持っていた方が既に亡くなっているのでここ30年程はそのランクには誰もいないみたいですね。」
「それは多分ゲイリー卿だな。
30年前に亡くなっている人間の中で強かったといえば彼しかいないだろう。」
「へえ!
どんな御仁なんだ?」
「最早お伽噺級の伝説だ。
色々呼び名があったらしいが『歩く筋肉』『生ける破壊神』『脳筋の神』なんてのが有名な所だな。」
確実にろくな人間ではなかったのであろう。
確実に頭は良くなかったに違いない。
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