不安な月曜日

 それから日をまたぎ月曜日。

 あの過酷な情報探し後の最初の月曜日だ。

 強がって周りの人を疑うようにというホロウさんのアドバイスに賛成したはいいけど…。

 やっぱり私の周りにそんなことをするような人がいるっていうのは信じたくない。

 私は大きめのため息をついてしまう。


「はぁ…」


 何弱気になっているんだ、私!

 気を引き締めなきゃ!

 憂鬱な気持ちなんて、リセットリセット!


「叶波?なにぶつぶつ言ってるの?」


 突然後ろから声をかけられて私は「ふぎゃ!?」と変な声で叫んでしまった。

 声をかけてきた人物は当たり前だがちーなだ。

 声をかけただけで驚かれたちーなはこういう。


「声かけただけでそんなに驚くなんて…。よっぽど何かに悩んでたの?」


 ちーなは私を心配した。


「あんたここ最近、元気なかったじゃん?悩みごとがあるなら相談に乗るよ?」


 ちーなは私をこんなにも心配してくれている。

 …そんな子が私のことを誰かに売っているなんてとても考えたくなかった。

 

「ねえ、ちーな」

「うん?どしたの?」

「ちーなは私のこと友達だって思ってる?」


 こんなこと聞くのは間違ってる。

 でも少しでも私は心に余裕を持っていたかったのだろう。

 間違っていてでも、ちーなにはこれを聞いておきたかった。


「友達どころか私たち、大親友じゃん!そんなの分かり切ってることでしょ?」


 ちーなのそれを聞いて私は安心した。


「そっか…。そっかありがと、私もちーなのこと大親友だって思っているよ!」


 と私がそう言うとちーなは少し照れた後、バチンといつものように私の背中をたたいた。


「あいたっ!?」


 やっぱり毎度のごとく、力加減ができていなかったようでじんじんと私の背中が痛くなっていく。


「あっ…ごめん。照れ隠し過ぎたわ」

「あー涙出てきた…。なんでいっつも照れると私の背中叩くの?!」

「愛情の裏返し♡」

 

 うふっとちーなはかわい子ぶりながらそういった。

 

「ぜんぜんかわいくない」


 と私は真顔で言ってそのまま走る。

 ちーなはぽかんとした顔をしていたが、すぐにはっとして…。


「はぁ!?それどういう意味よ!ちょっと叶波、待ちなさい!!!」


 そんなちーなを私はくすくすと笑いながら見る。

 ああ、いつまでもこんな感じが続けばいいのにと私は思った。

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