次のステップへ

「こうなったらゆっくりしていられないわ。次の手がかりを探す」

「次はどれほど時間がかかりそうですの?」


 優紗はホロウさんにそう訪ねた。


「今回の情報を探すのには2か月かかったけど…。邪魔してきた相手がわかった以上、そんなに時間はかからないわ。遅くても二週間、早くて五日後にはわかるはずよ」

「そんなハイペースでやってキミは疲れないの?」


 御神楽さんはホロウさんにそう訪ねる。


「私はAIよ?あなたたちと肉体がないから疲れることはないわ。むしろそれを聞きたいのは私の方。特に御神楽慧架、あなた体調悪そうだったしこんな感じでも体は大丈夫なの?」

「ぼくは平気だよ?さっきも言ってたけど、あれはお腹が空いてふらついただけだって」


 と、なぜか優紗から逃れるように私に隠れて御神楽さんはそう言った。


「御神楽さん?なぜわたくしから目をそらそうとするのです?」

「…いや、なんとなく。説教されそうな気がして」


 とぼそっと優紗に聞こえるか聞こえないかくらいの大きさの声で御神楽さんはそう言った。


「小腹満たす程度でいいんだったらお菓子、食べてください」


 私は御神楽さんに鉄分入りのグミを渡した。


「ふらついてたんなら貧血かなって思ったんで…鉄分入りのグミをどうぞ」

「へえ、こういうのもあるんだね。ありがとう、叶波」

「御神楽さん、無理…しないでくださいね?なにかあったら言ってくださいね?」


 余計なお世話かもしれないけど、私は御神楽さんにそう言った。

 いっぱい助けてもらったから、今度は私も助けたいから。


「うん?わかったよ、ありがと。優しいね、叶波」

「わたくしにもいってくださいましね?」


 優紗も入ってきてそう言った。

 

「ああ、穂村さんも。こうして出逢ったのは何かの縁ですわ。何ができるかはわかりませんが、頼りにしてくださるとうれしいです。友人の助けをしたいと思っております。つらいことも一気に言わなくて大丈夫です。気持ちの整理がついてからでも」


 優紗は穂村さんにそう語り掛けた。

 穂村さんは優紗のそれを聞いて、さっきまで暗い顔をしてたけど、少し明るい顔を見せてくれた。


「ああ、ありがとな」

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