羽賀雪菜について 第一の情報
私たちはホロウさんの部屋につく。
「いうのが遅くなったわね。みんな、ほんとうにご苦労様」
ホロウさんは私たちをねぎらってくれた。
でも私たちには聞きたいことがあった。
「…どうやら私に聞きたいことがあるようね。私もあいつらについては想定外だったわ。話せる範囲で話はする」
とホロウさんは察してくれたようだ。
「情報を先に見たいか、それとも話を聞きたいか。あなたたちが決めなさい」
ホロウさんは私たちに選ぶ権利をくれた。
まず最初に口を開いたのは穂村さんだった。
「俺は先に情報を見たい」
そのあとに続いて御神楽さん。
「そうだね、ぼくもそっちがいいな。情報を見てれば自然とあいつらの目的もわかるかもしれないし」
私も、優紗も、先に情報を見ることを選択した。
「わかったわ」
ホロウさんがそういうと、大きなモニターが突如として現れる。
最初に映し出されたのは儚げな印象のある女の子だった。
その女の子を見た瞬間、穂村さんは「雪菜…!」と酷く動揺していた。
その子こそが羽賀雪菜の姿なのだということが分かった。
「はやく、次の情報を見せろ!」
「わかってるわ。興奮しないで、落ち着きなさい」
ホロウさんにそう言われ穂村さんは冷静になろうとする。
次に私たちが見たのは…いや聞いたのはこのようなものだった。
『たすけて…だれか、私を…たすけて…。炎真くん…たすけて』
と今にも消え去りそうな声で助けを求めているというものだった。
「解析した結果、今回のすべてね」
「ふざけんなよ…たったこれだけか?」
「ざんねんながらそうね」
穂村さんは震える声でホロウさんに向けてそう言った。
「ホロウに八つ当たりしたって意味ないっていうの一番わかってんじゃないの?大事な存在なのは分かるけど、羽賀雪菜の情報は得ることができたんだ。むしろ感謝しなよ」
怒りを抑えきれそうにない穂村さんを御神楽さんがたしなめる。
「…そうだな、悪い。解析してくれたのは感謝してる」
また、気まずい雰囲気が流れてしまった。
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