不穏な空気
「どうやら向こうは決着着きそうだね」
「そうですか!一安心ですね!」
御神楽さんからその言葉を聞いて私は一安心。
だけど、御神楽さんはまだ安心して無いようだ。
そうだよね、まだ情報があるところまでたどり着いていないもん。
「叶波、ぼくから離れないで」
御神楽さんはかなり真剣そうな顔でそういう。
そして、御神楽さんは私を胸に抱きよせる。
「えっ?どういうことですか?」
いきなりこんなことをされて私は混乱する。
そんな混乱もつかの間、ものすごい爆発音と爆風が私たちに襲い掛かった。
「うわ!?」
「すごい威力だ…!急いで防御技かけといてよかった」
「えっ?今何が…?」
「ぼくも正直わかんないよ。だけど、不穏な空気は感じられたからね。おっとごめん、強く抱きしめすぎちゃったね。目的地はもうすぐだ、さっさと終わらせようか」
私は御神楽さんに「はい」といい、急いで向かう。
そして私たちはついた。
そこにあったのは…小さな箱だった。
片手くらいのサイズの小さな箱。
この中に情報があるのだろうか。
「あんまり、軽い気持ちで触ったら危険かも。慎重に行こう」
「はい」
ゆっくりと慎重に私たちはその箱に近づく。
そして手を伸ばせば届く距離まで来た。
「ここはぼくが行くよ。叶波はぼくの後ろにいて」
御神楽さんはその箱に触れる。
「御神楽さん…?大丈夫…ですか?」
「触れる分には何ともな…」
と御神楽さんは言いかけた後、体がふらつき始めた。
そして、『稲荷・雅』の装備も解かれた。
「御神楽さん!?」
私はあわてて、御神楽さんを支える。
「ありがとう」
「その箱…危険なんじゃ?」
「いや、タイミング悪く立ち眩みが起きただけさ」
「ほんとうですか?強がってませんか?」
私は御神楽さんにそう問いかける。
御神楽さんは大丈夫だと何度もいい、「炎真たちのところに戻ろう」という。
たとえタイミングが悪くてもその箱を手にした瞬間から、顔色があまりよくないというのがわかる。
御神楽さんは頑なにそれを手放そうとしないので、私は御神楽さんを支えながら穂村さんたちのところへ戻ることにした。
「あっ!そうだ、柳くん!」
御神楽さんを支えながら歩いていて、そういえば気絶したままの柳くんをどうにかせねばと私は思った。
「まだ気絶してるようだね。…ほんとにちょっとやりすぎたかも。ぼくはもう大丈夫だから…。ぼくが竜太を運ぶよ」
と、御神楽さんは私から離れ、柳くんを運ぼうとする。
…けど、御神楽さんはうーんっと唸っていったん私のところに戻ってくる。
「…かっこつけといてなんなんだけどさ、やっぱ運ぶの手伝ってくれない?」
それに私は思わずズッコケた。
「ぼく、そんなに腕力ないっていうの忘れてた」
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