その時
ああ、ご飯もついに食べ終えてしまった…。
もう、こうなりゃ仕方ない。
受け入れよう、そうした方が気が楽だ。
そう思った途端、端末がメールを着信した。
「うわっ!?」
びっくりして手に持ってた端末をベッドに叩きつけてしまった。
ちょうどその場にベッドがあって本当に良かった。
あと少し場所がずれてたら壊れるところだったよ…。
それにしてもなんで私、ホロウさんからくるメールにだけおどろおどろしい着信音にしちゃったんだろう…。
余計に怖くなっちゃうじゃんか…。
そうだ、メールを開く前に外に出ておこう。
変に思われないようにね。
「じゃあ行ってくるね~」
「気を付けていくのよ」
おかあさんがキッチンの向こう側でそういうのを聞いて私は家を出る。
そしてメールを開く。
すると、目の前に扉のホログラムが現れた。
この光景は初めてだ…。
あっ、たぶん…あの時メール開けるの戸惑って時間かかったせいでホロウさんが直接私を連れてきたのかもしれない。
恐る恐る私は扉に手をかけてみる。
なんとその扉は触ることができた。
もうこれ、ホログラムとかじゃなくて魔法なんじゃないかと私は思えてきた。
いくら技術が発展しているとはいえね…。
…難しいことはわからないから考えるのはよそう。
あんまりモタモタしてると遅いってまた無理矢理連れてこられて、たんこぶできるのは嫌だし…。
覚悟を決めて私は扉を開けた。
そして目を開けると、またあの時の不思議な空間にいた。
一番乗りはどうやら穂村さんだったようで、その次に私、桜宮さん、御神楽さんという順番でそろった。
「あちゃー…。どうやらぼくが最後か」
御神楽さんがそう言った後、ホロウさんが現れた。
「どうやら全員、来たようね。じゃあ、さっそくだけどとある場所に行ってもらうわ」
とホロウさんは何かの画面を出す。
建物の写真だ。
学校っぽいけど…。
「あなたたちに向かってほしいのは今は廃校になった小学校…『苗場小学校』よ」
「それで、そこへ行ってぼくたちはどうすればいいわけ?」
「ここのサーバーに潜り込んで必要なデータを探してほしいの」
「えっ?サーバーに潜り込むってどうやって…?」
と私はホロウさんに質問を。
「簡単よ。私がそこへパスをつなげるから。ここも空白だったサーバーを私用に勝手に改造したものだから、こんなことぐらいすぐできるわ」
と言ってホロウさんに私は「へえ…」というしかなかった。
難しい話はやっぱりついていけないや…。
「廃校になってるんじゃ潜り込むもくそもねえだろう?」
と穂村さんは言うが…。
「たまにね、こういう学校とかに古いものが残されたままになっていることがあるの。もちろん『苗場』もそう」
私はそれを聞いて「ほぁ~」しか言えなかった。
「まあ中にはトラップとかあるでしょうけど…。あなたたちなら何とかなるでしょ。私の計算が狂うなんてないし」
なんかすごい物騒なこと言われた!?
みんなも「えっ!?」って言いたそうな顔になってる。
ホロウさんに何か言おうとする前に、ホロウさんは私たちを目的地に転送した。
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