ねことあぽかりぷす!

こねこちゃん

序章 終末日常ライフ

第1話 悪魔は僕を殺す気なのか

「オマエは僕を殺す気か!」


「……マウ!?」


 深夜3時。

 僕は飼い猫の茶々丸(♀)に軽い怒声を浴びせた。


 それに対する茶々丸の返事はいつもの可愛い「にゃあ」ではなく、何故自分の要求を分かってもらえないのか、それどころか何故怒られなければならないのかとでも言いたげな、抗議の意を込めたものであった。


 ここ最近は毎晩こんな感じである。

 僕はただでさえ睡眠の質が悪いというのに、やっと眠れたタイミングで嫌がらせのように起こされるのだ。


 エサが切れたとかトイレが汚いからということならこちらが悪いから仕方がないとは思えるが、だいたいは「目が覚めたにゃ。暇にゃ。オマエも起きてあたいをかまえにゃ」ってノリだから腹が立つ。

 お陰様で、規則正しい生活を強いられたサラリーマン時代は睡眠不足に悩まされたものだ。


 茶々丸は、昼間は天使なのだが、夜は悪魔に変貌するのである。



 そんな茶々丸との出会いは、もう10年近く前のこととなる。

 当時住んでいたマンションの近くのペットショップに以前から欲しかった種類の猫が売り出されると知り、それが彼女だった。


 散歩が必要なく、トイレもすぐ覚える。

 そして賃貸マンションやアパート等の一室レベルの狭さでもストレスを感じないと言われており、お留守番も2日空ける程度なら大丈夫。

 そんな感じで、独り暮らしで飼うには最適なペットと言われている猫さま。


 しかしながら、将来的には老衰とか怪我とかして世話がかかるようになり長時間部屋を空けるわけにはいかない状況が発生することも想定できるし、やはりペットを飼うということは、独り身としては大変なことなのだ。

 前述の通り、睡眠妨害もあるしな。。。


 分かってるなら独り身の分際で猫なんて飼うなよ・・・と思う人もいるかもしれないけどさ。茶々丸を飼い始めたのは(元)婚約者と同棲を始めたタイミングであり、自分ひとりで面倒を全て見ることが前提ではなかったのだ。


 ……まあ、その彼女とは別れちゃったんだけど。


 別れ話になった際、茶々丸の親権(ニャン権?)を巡り骨肉の争いが発生するかと思ったが、あっさりと手放した彼女。

 噂では、あの悪魔崇拝者のカリスマ、マリリン・マンソン様でさえ、離婚時には飼い猫のニャン育権を元嫁と争ったというのに!


 当時は冷たい女だ、見る目無かったな……とか思ってガッカリしたものだが、今思えば彼女のほうが先見の明があっただけとも言えるかもしれない。今後は責任を負いきれない可能性があるからだ。



 ……ちぇっ。嫌なことを想い出した。


今 まで何度も思い出しては巡らせてきた茶々丸と彼女のエピソードに思考を軽くもって行かれていたときである。


 ドン、ドンドン!


 玄関のドアに、拳を叩きつけるような音が響く。

 この辺りのが、騒ぎを聞きつけて抗議しにきたのであろう。

 茶々丸は音にビビったのかドア越しの気配にビビったのかは知らないが、一目散に部屋ソファーの陰へと走り去った。


 ……まあ夜中に騒げば、こういうことはあるわね。

 僕は「面倒臭ぇなあ~」と悪態をついて立ち上がると、明かりを手に玄関へと向かう。


 来訪者を確認しようと覗き窓の蓋を跳ね上げた。

 その瞬間、除き窓にから来訪者のものと思われる指が勢いよく差し込まれてきた。

 僕は驚きながらも、冷静に覗けってそれを躱す。どうやら相手は、相当興奮しているらしいな。


「危ないなあ。どちらさまですか……っと!」


 ズブリ!!


 んー、好感触。


 僕が気合を入れて行ったのはドアを開けることではなく、除き窓の隙間に刃渡り30cmはあるサバイバルナイフを突き立てることであった。




【作者より】

 最近のトレンドではないジャンルなのか(作者がショボいのか)、

なかなか苦戦しています(笑

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 作者が小躍りして喜びます(*‘ω‘ *)

 

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